まちづくり・社会教育活動の実践あれこれ

日々への感謝とアウトプット

読了「承認欲求に振り回される人たち」

(どんな本か)

おそらくSNSに一度でも自分で投稿したことのある人なら共感できる内容。いわゆる承認欲求とはどういうものか、現代においてそれとどう付き合っていくべきか、についての助言書。人間関係に悩む人にもオススメの一冊。

 

(感想)

承認欲求の本来的な意味と、現代における歪んだ意味について考えさせられた。それらの安易な満たし方、歪んだ欲求に逆に支配されないよう、SNS投稿の際には一度立ち止まって考えたい。また、より良い人間関係を作れるようポジティブな気持ちになれた。

 

承認欲求に振り回される人たち | 榎本 博明 |本 | 通販 | Amazon

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(目次)

1.承認欲求は満たすべきもの

2.承認欲求に苦しむ人たち

3.SNSが助長する承認欲求

4.承認欲求の正体

5.承認欲求を上手にコントロールする

 

(メモ)

1.承認欲求自体は悪いものではない。人は親・先生・上司から認められたいという思いから挑戦し、頑張り、成長してきた。基本的欲求は階層構造で、下層が満たされるとその上にある欲求が人を駆り立てる(マズローの「欲求の階層説」)。承認欲求はその最上層で自己実現欲求に位置づけられる。SNSの発達により自己愛が過剰に刺激、承認欲求の満たし方に変化が生じた。地道な努力や過酷さを乗り越えなくても簡単に承認欲求を満たせるようになってしまった。

 

2.原文引用(東京五輪エンブレムのパクリ疑惑騒動について)「盗作があってはいけないのは当然のことです。でも、まったく無縁の人物の問題になぜそこまでムキになれるのでしょうか。パソコンに向かって必死になって検索するエネルギーは、どこから湧いてくるのでしょうか。もしかしたら、普段仕事をしているときよりも、はるかに集中し、情熱を燃やし、喜びさえ感じているのではないかとさえ思ってしまいます。そこには活躍している有名人を引きずりおろす快感によって、日頃の鬱憤を晴らすといった心理が漂っています。」

 

3.見る自分と見られる自分に引き裂かれることにより自己意識が過剰になる。SNSが見られる自分を肥大化させる。見られる自分=見せる自分の演出、人の反応が気になる。SNSでは安易に承認欲求が満たされる。過剰な自己愛をもたらす。

 

4.人から軽く見られるのでは、バカにされるのでは、といった不安は「見下され不安」であり承認欲求の屈折した形。それを防ぐためにセルフハンディキャッピングが働く。承認欲求は本来、自己形成の原動力、人の成長に必要不可欠なもの。それを捨てても楽にはならない。捨てるのではなく上手にコントロールすることが大事。

 

5.自分なりのストレスコーピング(ストレスに対処する行動)を確立すること。承認欲求に振り回されないために、SNSから離れる時間を持つこと。相互に承認し合える親しい間柄を持つためには、自己開示(好意や信頼のあらわれと受け止められる)が必要であり一歩踏み出す勇気が必要。試行錯誤の精神を持つように心がける。人の目に映る自分の姿ばかりに気をとられるのではなく、相手そのものに関心を向けることを意識。