まちづくり・社会教育活動の実践あれこれ

日々への感謝とアウトプット

読了「つながるための言葉」勝浦雅彦

どんな本

言葉にしてつながりたいというあなたの気持ちを掬い、明日誰かに会うのが楽しみになる、自分という人間を言葉で表現することに自信が持てる、そのための大きな気づきを残すことをお約束します。

 

感想

電通の著名なコピーライターである著者が言葉というものに深く真摯に真剣に向き合い導き出した、ある意味哲学とも言えるコピーライティング本。いや深いです。感動です。つながりたいです。

 

表紙

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要約・メモ

(第1章・自分とは何者なのか)

  • 思考はいわば指紋のように一人一人違う。だからこそ「自分とは何者なのか」を日々意識する必要がある。
  • ステップ①自分を徹底的に洗い出す、自分への質問状。
  • できるだけ短く簡潔に、自分の意見を言語化して。言語化して紙に落とす、自分との対話を。
  • ステップジョハリの窓。4つの自分。
  • 一番大切なのは相手と自分の考えが一致している「開放の窓」。
  • 自分を客観的に見ることが非常に大事。
  • ステップ③自分ウィキペディアを書く。自分とは何なのか、冒頭の一文をどう表現するかが大事。

 

(第2章・言葉を使いこなすには)

  • 言葉は矢印、深く刺されば深くつながれる。
  • 言葉の技法、ほとんどすべて身に付けている。
  • 好きを中心に教養を身につけよう。自分の血肉にして誰かに伝えてみる。
  • 相互不理解の前提から始めれば、少しでもつながれた時の喜び深い。

 

(第3章・愛について)

  • 心に愛がなければどんな言葉も響かない
  • 愛を最も平易に説明「人を思いやること」。自己愛もあるが、自己の確立には他者が必要、その関係性の中での愛と定義できる。
  • 仏教・キリスト教、人間は一人では幸福になれない。他者を思いやり、慈しみ、わかり合うことが愛であり、それこそが幸福への道である。
  • 愛とは人類普遍のテーマであり、永遠の謎。

 

(第4章・始まりの言葉)

  • 人間はとにかくシャイ(内向き)な生き物。相手の反応は期待しない。勇気を出して始まりの言葉を投げかけて見て
  • メラビアンの法則に加えて言葉をより効果的に使って。
  • 初対面の人との会話、共通点と相違点を探す、これだけ。共通点があれば深く掘り下げる、相違点があれば教えを請う。それを可能にするのは、他者への興味でありつながりたい、分かり合いたいという感情。
  • 自分を印象づけるひとこと:①自分キャッチ、②マイすべらない話
  • 例①「年間100試合を観に行く虎党経理OL」
  • 例②「フランス人のご夫婦と一緒で他にいい人がいたらそっちに移る。皆さんからのプロポーズ待ってるわ」
  • 焦らず技術を学んだ上で、気持ちを全面に出して言葉にして。



(第5章・就活、転職のための言葉)

  • アリストテレス)世間が必要としているものと、あなたの才能が交わるところに、天職がある。

 

(第6章・ビジネスの言葉)

  • (マークトウェイン)今から数年後、あなたはやったことよりも、やらなかったことに失望する。
  • ビジネスにおける言葉は投資。つながるための言葉は投資である。
  • あなたの言葉には価値がある。
  • プレゼンでの言葉①:ビジネスにおけるプレゼン=密室のエンターテイメント。必要以上の演出はいらない。淡々と、シンプルに、最後に一つ結論を残す。
  • プレゼンでの言葉②:落語からプレゼン技法を学ぶ。枕、構成、アクション、声。リスナーと一緒にゴールできるのが良いプレゼン。
  • 質問は百利あって一概なし。敬意のある興味。
  • 謝罪:①お詫び、②マイナス状況確認と共感、③責任の受け入れ、④今後どうするか建設的な言葉。

 

(第7章・SNSの言葉)

  • (スティーブジョブス)他人の人生を生きるな。
  • SNSは真剣にやっても深刻にやるな。
  • 一般人がSNSで意図的にバズらせるのは不可能。承認欲求の奴隷にならない。
  • SNSは自分を映す鏡。
  • SNSはただのツール。
  • たいていのことは幻想。

 

(第8章・恋愛の言葉)

  • 伝わらなくとも、相手のために最善を尽くした時、つながりは生まれる。
  • 恋愛感情には賞味期限がある。
  • 恋愛において思いは伝わらない。

 

(第9章・世界を良くする言葉)

  • (ヘンリーフォード)どんな人間も、自分が思っている以上のことができる。
  • 今ある現実や問題と向き合い、世界を良くするための言葉がある。
  • 誰かを救うかもしれない、誰かに勇気を与えるかもしれない言葉。それは大げさな言葉ではなく、あなたからも生まれている。
  • 世の中と向き合い、見て見ぬふりをせず、言葉にすることで、あなたと世界はつながっていく
  • 差別を扱うことの議論で「寝た子を起こすな」という論調。
  • 取り上げなければ、みんな知ることも興味を持つこともなく消滅していくのではという考え方。大きな間違い。差別に苦しめられている人がいる、正しい啓発を行わないと伝播していく。

 

(第10章・今、必要な言葉)

  • ヘーゲル)歴史を学ぶと、我々が歴史から学んでいないことが分かる。
  • 「子ども怒鳴るな来た道じゃ お年寄りいたわれ来る道じゃ 感染者責めるな同じ道じゃ」
  • 他を責めず、その人の心を想像することで、前向きな言葉は生まれる
  • あなたの言葉が未来を作っていく。
  • 中島みゆき、Nobody Is Rightより。

争う人は正しさを説く 正しさゆえの争いを説く
その正しさは気分がいいか
正しさの勝利が気分いいんじゃないのか
正しさと正しさとが 相容れないのはいったい何故なんだ