まちづくり・社会教育活動の実践あれこれ

日々への感謝とアウトプット

読了「装力」政近準子

どんな本

装うことは、生きることそのもの。自分もまわりも幸せにする──服にはそんな力があります。装力が、人生を変えていく!

 

感想

装いは単なる外見ではなく「生き方を映す力」と著者は言う。どう見せたいのか?ではなく、どう在りたいのか。人の価値は人との違い。装いを自分で考える、場の価値を上げる、相手を思いやる。その上で自分を消さない。マインドフルなファッションは社会を変える。肝に銘じます。

 

表紙

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要約・メモ

あなたは、なぜその服を着ているのでしょうか。
あなたは、ファッションの本当の力をご存じでしょうか。

装いは、単なる外見の演出ではありません。
自分を励ましたり、時に癒したり、そして人と関わり、社会とつながるための手段です。
そして、装うことは、生きることそのもの。
それは、あなたを「どう見せたいのか」ではなく、「どう在りたいのか。そしてその姿を、どう装いで表すのか」という問い。自らの自覚と問いによって自分の頭で考え、また他者との関係性と対話によって、それぞれの「在り方」を表現する手立てが、服なのです。

本書で伝える「装力」や「響装」などは、日本で初めてパーソナルスタイリストを始めた著者が40年かけて培い、この日本独特の美意識を土台とした、世界に通用する普遍的、かつ応用が利く装いのフィロソフィーです。
本書は、本質を知って、日常にも、あらゆる「いざ」というときにも役立つ〈装いの教科書〉であり、「装力」を身につけるための本です。
「装力」を身につければ、人生が変わります。


(はじめに)


(第一章 「装力」とは)

  • 装力とは、見せ方ではなく在り方を映す鏡。
  • 装力とは、今日出会う人への「おもてなし」であり、自己演出ではなく、他者への敬意と共鳴を装いによって表現する力。
  • 装力とは、場の空気は読むが無難にするのではなく、どう装い立ち居振るまうのかは、自らの判断で決定する。決して他人軸になるわけではない。
  • 装力には、①装うことは生きること、②準備は愛、③目の前の人は鏡、④ノンバーバルコミュニケーション、⑤伝播力。装力のあるなしは伝播する、という5つのポイントがある。


(第二章 衣服には役割と使命がある)

  • 原始・古代:自然から身を守るため。動物の毛皮や草木の繊維は、まず「生命を守る機能優先」であった。
  • 中世:身分や階級を示すしるし。王や貴族の衣装は「身分を示すしるし」となり、庶民との差を明確にした。
  • 近代:職業・役割の制服化。産業や軍事の発展により、制服が社会の秩序を支える役割を担った。
  • 現代:個人表現やファッションとしての自由。多様性を認めた表現が尊ばれ、衣服は「個人の美意識」や「生き方」を映すものへと広がっている。しかし、ネットの普及で人類は学び、考えることをやめている。


(第三章 なぜ「装力教育」が必要なのか)

  • フランスのエスプリ:知的でおしゃれな雰囲気
  • イタリアのスプレッツァトゥーラ:さりげない優雅さ、無造作風
  • イギリスのブリティッシュ・シック:派手さよりも、質実剛健
  • アメリカのカジュアルリラックス:気負いがない
  • 日本:美意識×衣替え×アメリカ文化(歴史の揺れ)→今後は装力を基盤として、各国の良さを取り入れた洗練をめざしたい。


(第四章 「知的装力」とは?──知識と感性が“才覚”を生む)

  • 知的装力とは、生き方の指針を、衣服によって表す知性能力。「知識×感性=才覚」のある装い。
  • 知識とは、歴史や文化、素材やフォーマル度など「根拠に基づいた判断軸」。
  • 感性とは、相手や場の空気を察する力、美意識、色彩やバランスを捉える直感やセンス。
  • 才覚とは、知識と感性をかけ合わせ、瞬時に最適解を導き出す判断力と行動力。
  • 知的装力には、知識・感性・才覚に加え、学習能力、行動の習慣化、も加わる。


(第五章 装力の「心技体」)

  • 心技体とは、心(精神)、技(技術)、体(身体)の3つの要素が整った状態が、最大のパフォーマンスを発揮できるという教え。
  • 心は芯、技は儀、体は態に連動している。
  • 心はその人のマインドであり、芯はその人の在り方、生き方そのもの。
  • 技は技術であり、儀はルールやプロトコールなどの基本の知識や揺るがない歴史など。
  • 体は外見、ボディそのものであり、態は態度、所作、立ち居振る舞いを表し、プレゼンテーション、伝播力につながる。


(第六章 TPOから「TPPOSM」へ)

  • TPPOSMとは、TOPのTime、Place、Occasionに、さらにPerson、Social、Mindをプラスしたメソッド。
  • Personは相手という意味で、今日会う人、その場に集まる人全体のこと。どんな人が招かれ、どのような装いで参加することが望ましいか、パーソンを想像して装う。
  • Socialは、場の文脈、社会的背景、関係性における自分の役割を読み取る力のこと。ファッションを空間デザインの一部としてとらえること。
  • 政近メソッドのSは、TPPOSM全体の中でも、とりわけ相手軸・場軸に深く関わりながらも、どう自分らしさの表現を調和させていくかを考える概念。


(第七章 ギフトファッション──個(個性)から素(素質)へ)

  • 持って生まれたギフテッド(素)を生かし表現すること。また、今日会う人への思いやりと立ち居振る舞い。
  • 一見ネガティブに映るようなことほど「ギフト」として捉える。誰もが人とは違う可能性に満ちた素を持つ。
  • 突き抜けるとは、他者との違いを言葉や行動、装いでも表現すること。
  • ネガティブに感じるワードをポジティブなワードに変換する。


(第八章 マインドフルファッション──外側からではなく、心の中から)

  • マインドレスファッション:受動、束縛、支障
  • マインドフルファッション:主体・自在
  • マインドフルファッションにおける社会性と、個人の考え方は?
  • 自分の表現に重きを置く、ふさわしさに重きを置く、のせめぎあい。


(おわりに代えて──何を着て、あの世に逝きますか?)