どんな本
残念な大人になりたくないあなたに送る、日本一発信力のあるバーのマスターによる、面白くてためになる、大人考察エッセイ。昔の話をするおじさんはなぜ嫌われるのか。
感想
ニュースサイトで記事を目にし期待して読むも、その期待以上の内容に読後の満足度は高し。「大人になるということは、できるだけ嫌いなことを少なくしていくこと」の言葉には個人的に最も共感。いい大人になれるよう頑張りたいと前向きになれた一冊。
表紙
目次
- はじめに
- 第一章 人間関係、コミュニケーションについて
- 第二章 仕事と成功について
- 第三章 男女の関係、結婚について
- 第四章 マナーやふるまいについて
- 第五章 大人になるということ
- おわりに
要約・メモ
(第一章)
- 自慢話、その人の限界を表している。もう少し上に持っていきたくありませんか。
- 具体的に質問すれば、具体的な会話が展開する。漠然とした質問は世の中からなくなって欲しい。
- 人間はどうしても自分を過大評価する生き物。それを念頭に出会った相手のことを考えてみて。
- 精神科医・片田珠美さん「嫉妬をとめられない人」、嫉妬はもう止められないと納得。嫉妬されないためには:①弱い自分をさらけ出す、②手柄は人にゆずる、③正当な努力をする(イチロースタイル)
- 「誰かに嫉妬心を感じたら、自分がうまくいってない証拠だ」その時は自分の状況を良くするチャンスと考えて。
- 「悪口を言われているよ」は悪魔の言葉。クソリプ、正義感が人を傷つけている。
- ネガティブはうつる。松井秀喜選手「人の悪口を言わない」と中2の時父親と約束し守り続けている。ポジティブもうつる。心が変われば人生が変わる。
(第二章)
- 成功者の秘訣をまとめるとみんな矛盾。それぞれ違う、思い込みの強い人ほど成功。
- 才能があるということは、好きなことに集中し続けられること。
- 創作のコツは人の意見を受け入れられること。
- いつまでたっても独立できない、告白できない。あくまでその可能性にしがみつき、それがアイデンティティになっている。気持ちは伝える、「僕のこと嫌いじゃないなら、このまましばらく好きでいさせてください」
- インターネットは情報を発信する場、情報を収集するのは要注意。狭い世界に偏りがち。
- 人に好かれて、みんなが集まってくる人、誠実で大真面目で、でもちょっと不格好じゃなきゃダメ。完璧だけでは人は慕ってくれない、失敗した姿みせて。
- 権力を持つと人の気持ちがわからなくなる。共感力がなくなる。
- やっぱり人は人で動く。この人は人間として信頼できる、この人は変なことは絶対にしない。旬やもう古いってことがない、人間関係構築を。
(第三章)
- 男はいつも勘違い、あの子俺に気がある。女は自分には気がないと思い込む傾向(進化心理学上)。
- 男性の香水をどう思うか?7割くらいの女性が積極的に好きと回答。柑橘系の香りは人気なし。
- 女性には好みのタイプ、好きとはっきり好意を伝えること、具体的なお店を伝えて誘うこと。
- 男性は早い段階で「好きです、好意があります」を伝えること。ダメなのは「付き合ってください」を言ってしまうこと。女性は二者択一を迫られてしまう。返事はいらない、少しずつ僕のことを知ってください、が正解。
- 大人になるということは、できるだけ嫌いなことを少なくしていくこと。
- 結婚は相手と好きなものが同じより、嫌いなものが同じ方がうまくいく。
- 結婚がいい理由:①女性にとって楽になれる、②夫婦で助け合うことができる、③悩みやグチを聞いてもらえる、④赤の他人には言えない指摘を言ってもらえる、⑤仕事をがばれる、⑥いってきますとただいまが言える人がいる、⑦愛し愛されることは人生で一番素敵なこと
(第四章)
- 飲食店でおすすめは?と聞くこと、注意して。インターネットが原因。
- おすすめされるのが嬉しい?すすめられる、受動的な行為を気持ちいと感じている。
- 失敗はしないけど教えてももらえない。質問すればもっと深い話ができる。
- 料理「まずい」という味はない。別の言葉で説明できるはず。
- 少し立ち止まって「何が足りないのだろう」「どうすればもっと良くなるだろう」と考えるきっかけにした方が有意義。
- お店にフライヤー、常連さんだから応援しようという気持ち、ギブアンドテイク。まず通ってお金を落とすのが一番効果ある。
(第五章)
- 40歳を越えてしまったおじさんにもできることはあるはず。若い人に常識を教えることと、若い人を引っ張り上げること。
- 不倫は本当に時間のムダ。男が不倫する理由①若いころはモテなくて、大人になり収入や地位も得て若くてきれいな女の子を誘う。②若いころからモテていて、年取って自分の男としての価値が落ちていないか確認するために女性に手を出す。ほとんどが①か②の理由、そんなことに若い女性が大切な時間を使って付き合う必要はない。
- 日本にはまだまだ魅力的なものがたくさんある。寿司職人(世界中で仕事は尽きない)、伝統芸能(落語や講談)、サムライや浮世絵、相撲、歌舞伎、日本の祭り踊り唄を紹介する仕事、焼き物や和紙など伝統工芸や宮大工の仕事。日本独自のラーメン、インドに日本のカレー屋、フランスに日本のシュークリーム店。
- 若い人は、外国のいいところも取り入れながら、日本の面白い独自の文化を海外に発信して欲しい。
- 若者がおじさんから聞きたい話、聞きたくない話。「あの頃はよかった」話はみんな嫌い。
- ワースト3:①あれ俺がやったんだよ、②俺、あの人と知り合いなんだよ、③話しているときの口の臭い
- ベスト2:①妻や家族のこと(どうやって告白し結婚したか、どういう結婚式だったか、自分の子どもの話)②若いころの苦労話(仕事でひどい失敗、起業したときの話、自慢話や大学受験の話は×)
- 若い人に憧れられるこつ、「昔話はしない」「自分の経験は秘密にしておく」。
- 若い人に「一緒に飲みに行きたい、いろいろと話してみたい」と思われるのは、大人にとって最高の勲章。