まちづくり・社会教育活動の実践あれこれ

日々への感謝とアウトプット

読了「雑談が上手い人が話す前にやっていること」ひきたよしあき

どんな本

初対面でも、苦手な人でももう怖くない。会話が得意じゃない人でも大丈夫!30秒でうちとける雑談のコツ。

 

感想

有益この上ない一冊。少しずつ実践していきたい。まずは笑顔、印象よく。会話はキャッチボール。改めてコミュニケーションの楽しさ、大切さを認識させてくれた著者に最大級の感謝。

 

表紙

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要約・メモ

(第1章・雑談力ゼロでもすぐにできる5つのこと)

  • ①雑談に「観覧者」として参加する
  • 多くの人は話す人より聞いてくれる人を求めている。
  • まずは話を聞く。聞き専として雑談に加わる。
  • ②作り笑いでもいいから笑顔で話す
  • 最強の表情は笑顔。
  • 拈華微笑(ねんげみしょう):言葉を使わなくても以心伝心で伝える。
  • 笑顔は100m先まで認識できる。
  • アメリカの心理学者・ウィリアムジェームス「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ」
  • ③コンビニでありがとうと言う
  • 知らない人、利害関係のない人にもあいさつすることで、人に話しかければ達成感が得られる、と脳が学習する。
  • ギリシヤの哲学者・アリストテレス「垣根は相手がつくっているのではなく、自分がつくっている」
  • あいさつする習慣をつけると、人と気軽に話をできるようになっていく。
  • ④感謝の気持ちが雑談罪悪感を捨てる
  • 一期一会を大切に。「今、この瞬間にこの人と会って話すのは、一生に一度のことなんだ」と考える。
  • フランスの哲学者・モンテスキュー「人と人との間に絆を築くことができる唯一のものがある。それは感謝の気持ちだ」
  • ⑤言葉のブイヤベースをつくる
  • あれかこれか、ではなく、あれもこれも。いいと思ったものは全部入れる。
  • 一言でズバッと言おうという気持ちを抑えて、的外れな言葉、多少ずれた言葉を含める。
  • 練習方:身近にあるモノを観察してスケッチするよに、頭に浮かんだ言葉を書き出す。
  • 例:コーヒーカップ・丸い、飲み口が薄い、手触りがなめらか、コーヒーが美味しそうに見える、冷めにくい。
  • 会話では:このコーヒーカップ、丸くて手触りがなめらか。飲み口が薄い。このカップで飲めばおいしく飲めそう。

 

(第2章・雑談が上手い人が話す前にやっていること)

  • ①「感じのよさ」が武器になる。まずは見た目から
  • 君主論の著者・マキャベリ「人は一般的に、内容よりも外見で判断する。内面を判断できる洞察力を持つ者はまれである」
  • イギリスの小説家・リットン「美しい顔が推薦状であるならば、美しい心は信用状である」
  • フランスの詩人・ボードレール「ダンディは、鏡の前で生き、かつ、眠らねばならぬ」
  • 清潔感、相手に不快感を与えない身だしなみにする。
  • ②一人のときも声を出すと雑談力が上がる
  • 入院すると足の筋肉があっという間に落ちる。それと同じで声も使わないと出なくなる。鼻歌でもいいから声を出しておく。
  • 声を出すことにはストレス解消効果も。
  • ありがとうと声に出しながら掃除をする。めんどくさい、という思いを取り除く。
  • ③「キラーほめ言葉」を用意すると雑談はグッとラクになる
  • SNSでほめることを貫く。おめでとう、おいしそう、よかったね、大変そうだね、体が心配です。など。
  • 脳が、人をほめたり、共感することを当たり前だと思う習慣がつく。
  • フランスの作家・フランソワーズサガン「思いやりのある言葉は、たとえ簡単な言葉であっても、ずっとずっと心にこだまする」

 

(第3章・雑談だめメンタルをぶっ壊す)

  • ①わからないことはわからないというままで受け止める。ほとんどの人はあなたを嫌いにならない。
  • 世の中は好意的な人2割、無関心な人6割。合わない人が2割、で構成。
  • 2:6:2の法則の「自分に批判的な人」はスルー。残りの8割の人にパワーを向けて。
  • ②緊張しています、と素直に言おう
  • アウェイ環境、アウェイによる負のマインドが起きてしまう。
  • 自分が参加する雑談の場を、せめて「プチホーム」に変える工夫をして。
  • 緊張している自分の気持ちを打ち明ける。先にダメな部分をカミングアウト。
  • 共有することがあるとコミュニケーションがしやすくなる。
  • ③×たくさんしゃべろうとする、○感じたことだけ正直に話す
  • お風呂に入ったら「気持ちいいなあ」と声に出して言う。
  • 朝、玄関を出て外気に触れたら「暑いなあ」「寒いなあ」と言う。
  • ご飯を食べるときは、「美味しいなあ」「甘いなあ」「いい匂いだ」と言う。
  • 満腹になったら「おなか、いっぱいだ」と言葉にする。
  • 映画を観たら「面白かった」「結末が好きになれなかった」と感想を言う。
  • 自信がないときは、「個人的な感想ですが、」を付け加える。「個人的に、あまり好きではないですが、あなたはどうでしょうか?」
  • ④会話の「間」は相手の考えている時間になる
  • 多くの人は沈黙恐怖症。
  • 会話における間は、互いがもっといいコミュニケーションをしたい、という気持ちにあふれた時間と考える。
  • 一度逃げる、というやり方。すみません電話が、や、トイレに行く。多少強引でベタなやり方で沈黙を切る。
  • ⑤価値観がまったく違う人と話すのが苦手な人へ
  • 「親しみやすいけど、ていねい」を心がける。
  • あいさつ、ですます調、感謝の言葉、言葉づかい、年齢関係なく。

 

(第4章・今すぐ雑談がラクになる簡単テクニック)

  • ①「よい口ぐせ貯金をする」メモしてリストにして
  • 話が上手い人を真似る。まずは一箇所でも良いからプチ真似を。
  • 例:池上彰キャスター、子どもたちに話しかける間の開け方。小学生にやさしく話しかけるおじさんへ。
  • 「どうもありがとう」感謝、「どう思われますか?」問いかけ。
  • ②名前の前でファーストコンタクトを制す
  • 相手の「名前」を呼ぶ。名刺をもらった瞬間に名前を読み上げる。
  • ③はじめましての人とそつなく話すコツ。話しにくいのは共通点がないから。
  • 観察+感情」で話し始める。観察:一緒にいる空間を観察して、共有できるネタを探す。感情:その観察についての自分の感想を述べる。
  • ポイントは「空間」。観察:隣の席で注文した焼きそばおいしそうですよ。感情:ああ、急にお腹減ってきたなあ。
  • 同じ釜の飯を食ってる感」を出すこと。五感のすべてを働かせて周りを観察。感情を呟いたあと相手にも話を振る。大事なのはライブ感。
  • ④相手のポジティブポイントを発見する。いいところを3つ以上見つける
  • 対人関係は加点法で見る。あいさつに答えてくれた、お辞儀してくれた、笑顔が素敵、シャツにアイロンがかかっている、など。
  • 相手の特徴と魅力とをセットで観察する。特徴:高級なボールペン持っている、魅力:こだわりの人。特徴:大きなカバン、魅力:いざというときの備えがある慎重派。特徴:薄着だ、魅力:体が強い。特徴:派手なメガネ、魅力:自己アピールが上手。
  • 電車やお店の中で観察グセをつける。ファッションや持ち物など、相手がほかの人と違うところを見つけて、話題にする。
  • 覚えておきたい「鉄板リアクション」11選。
  • 「あ行」リアクション:1ありがとう、2いいね、3うまいね、4えらい、5おかげさまで
  • 「す」のリアクション:6すごい、7すてき、8すき、9するどい、10すばらしい
  • 「なるほど」も言い方次第。あくまで感嘆詞として使う。何に感嘆しているかまでつけること。
  • 例:なるほど!そういうことだったんですね。なるほど!面白い
  • 雑談は相手に「教えてもらう」こと。会話の分類大きく2つ。対話は相談すること。雑談は教えてもらうこと。
  • 人は、誰かに何かを教えることが好きな生き物です。相手を教える立場にしてあげる。
  • 相手が「もっと話したいこと」を見つける。教えて欲しいんですが、どうして○○なんですか。何か健康のためにやってるんですか。○○を選ぶコツってありますか。
  • 相手の本音をうまく引き出す方法。日本人は人に自慢しているように思われたくない、という気持ちの強い人が多い。大変だ、苦労している、と困っているような表現の裏には、ヒントが隠されている。ここが褒めて欲しい、認めて欲しいポイント。
  • 「朝、子どものお弁当をつくるのが大変。うちの子、好き嫌いが多いから」→毎朝起きられるコツを教えてください。毎日の献立をどうやって思いつくのか教えてください。
  • 「口下手」を魅力化するコツ。口数が少ない=言葉が深く、重い、というイメージ。
  • 人から意見を求められたとき、発言する前に少し難しい顔をする。そして緊張から一気に緩和して、「その意見、いいですね」と言う。
  • ペラペラしゃべれない人は、ひと言に間をおいて重みをつけることで、人に聞いてもらえるようになる。ギャップをつくる。しかめっ面で黙って食べた後、この肉ものすごくうまいね、と言う。なぜかいいことを言ったように聞こえる。
  • 「え〜」「あの〜」というクセをなくす方法。このような前置き語のことをフィラーと呼ぶ。
  • フィラーの連呼は自信がなさそうに聞こえてしまう。多い人は話す前に口を開けている特徴がある。
  • 吐く息の上に乗せるのは「言葉」。脱フィラー法3つ:①話す前に口を閉じる、②話す前に息を吸う、③話す前に唾を飲み込む。
  • 会話のトスを上げ続ける人」になる。
  • 答えがYES、NOで終わらないような質問。英語の5W1Hを心がけて。時間、場所、人、モノ、理由、手段。それらの切り口に当てはめて質問する。
  • 自分の話の最後に、必ず質問をつける。例:(サッカーの話題)テレビで見ました。私は大興奮でしたが、○○さんはいかがでした?(リモート会議についての意見)リモートの方が個人的にはうれしいのですが、皆さんはどうお考えですか?
  • 話が合わないと思った人とどう接するか。相手の意見と真っ向からぶつかることはおすすめしない。
  • とりあえず共感。受け止めて共感する。
  • 語尾を伸ばして共感を示す:そうですねぇ、いい感じですねぇ、困りますねぇ。
  • わかります」と返答する:シンプルに「わかります」。くれぐれも多用しすぎないこと。

 

(第5章・雑談力を一生もののスキルに育てるコツ)

  • ①「○○しばり」で自分らしい自己紹介をする
  • 数字しばり、色しばり、料理しばり、スポーツしばり、歌しばり、お金しばり。
  • 例:私は次男坊で5つ上の兄がいます。父が転勤族だったので、小学校は3回転校しました。変わるたびに友だちがゼロになり悲しい思いをしたものです。
  • 例:ピンクが私のラッキーカラーです。モチベを上げるために、必ず毎日ピンクのものを身につけています。入社のときから使っているこのぼーるぺんももちろんピンクです。
  • しばりを入れることで、焦点を当てる部分を変えれば、いくらでも新しい自分が発見できる。
  • 誰しも興味や関心ごとは移ろいでいくので、自己紹介は常にアップデートする。あなたという人物をアピールする最初の機会を大事に生かしましょう。
  • いい言葉や表現、言い回しなどをメモしてストックする言葉貯金。集めるべき3種の言葉:①ちょっといいなと思った言葉、②使ってみたいなと感じた言葉、③うまいこというなあと感心した言葉。
  • いろいろな相手と雑談ができるよう、自分の心地よいゾーンからははみ出た言葉をストックしていって。
  • 「言葉のマグネット」をつくる。ひとつの言葉に自分の経験や思いを吸い寄せる言葉のマグネットをつくって、自分らしい言葉を増やして。
  • 「自分エピソード」をつくる。「エピソードメモ」の書き方:① A5ノートの見開き右ページに西暦、左ページに自分の年齢を記入、②右ページにその年あった出来事を10個ほど書く(スマホで調べて)、③左ページに当時の自分の出来事や心情など思い出すことを書く。どんな過去もネタになる。
  • 人から嫌われない「自分語り」の方法①失敗談、②V字回復の物語。①失敗談にそこからの学びの情報を加えると、共感よりさらに上の得した話に昇華させることができる。②日常の中でプチV字回復の瞬間を探す。「YouTuberの動画を見て、早起きするようになり自分の時間が増えた」。
  • とっさの雑談での鉄板ネタ4選:テン・プラ・ジジ・ケン。天気、プライベート、時事ネタ、健康の話題。①天気と身近な話題をプラスして、②自分が今、何にハマっているか、③大きく話題になっていることを選ぶ、日本サッカーなど、④睡眠不足や体調不良自慢など。
  • さらにプラスのテーマ5選:①この場所までどうやって来たか、②好きなスポーツ、③休日の過ごし方(なるべく具体的に)、④最近の様子(仕事の忙しさやプライベートの充実など)、⑤持ち物(スマホ、時計、ペン、カバンなど)。相手にも同じ質問をすること
  • 二人三脚マインドで。相手の心のロジックを想像しながら話すこと。
  • Q&A話法で語る。(クエスチョン)「駅に着いたら雨が降って来ました。急いで行かなければいけないのですが、皆さんならどうします?」(アンサー)「あたりを見回したらレンタル傘があったのでそれを使ったんです。今や傘もシェアの時代なんですね。」
  • 決めつけバイアス」が相手の話す気持ちをそいでいる。①固定観念や思い込みで決めてかかる(ステレオタイプ)、②よかれと思って言ってしまう(慈悲的差別)、③自分の正当性を証明しようとする(確証バイアス)、④成功例の押し付け(成功者の経験)。
  • 克服する方法、私の発言にも必ず、アンコンシャスバイアスが含まれている、と意識すること。
  • デリカシーのない人と言われない5つのルール:チェック①自分の好奇心を優先してしまう、②自慢話ばかりをしてしまう、③秘密をバラす、④パワハラ・セクハラをする。下ネタが多い。下品。⑤マナーが悪い。不潔。声が大きい。
  • 話の長い人との雑談を終わらせる秘けつ:話を終わらせることに「申し訳なさ」を感じないこと。「話が長くなった責任は、私にある」と相手にアピール。お時間をとらせてしまいまして。もっとお話をお聞きしたいのですが、ちょっと時間がなくて。
  • その雑談で心に残った気持ちを一言で表す。「楽しい時間でした」「ただただ、驚きの連続でした」人の記憶に残るもの:一番感情が盛り上がった、ピークのときと、別れ際のエンドのとき。終わりよければすべてよし。
  • 雑談力の成長は、右肩上がりには起こらない。雑談で上手くいかないことがあっても諦めない。続けていれば、できるようになるときがきっと来る。

 

(あとがき)

  • コロナ禍から平静を少し取り戻した頃、都内の大学から講義の依頼。学生たちからの依頼「雑談力について」。
  • 人と会う機会が少ない3年間。学生たちの悩み、対面で何を話していいのかわからない。
  • 時代は、ChatGPTなどコミュニケーションに変化。AI相手に対話の練習。
  • こうした時代の今だからこそ、時間制限もなく、言葉に至らぬため息や涙、震えや紅潮、笑い声や怒声などを交えて人間が、人間と生で語り合う大切さを改めて味わいたい
  • 意味のない、たわいもない雑談から、人はインスピレーションを得、突破口を見出し、AIでは到達できない世界を切り開くことができる。そう信じています。
  • 朝6時20分。ほぼ毎日、施設にいる母に電話を入れる。パンが美味しかった、腰が痛くてね、この前の靴、歩きやすかった、今日病院に行ってくる、雨だからきをつけて、など。私の1日の始まり、意味のないような会話、この言葉一粒一粒に、人間的な心情が凝縮されている。私の雑談力の源泉。