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腹筋を500回やっても腹は割れない!プロアスリートが師事するカリスマトレーナーの理論を全公開。シアトル・マリナーズ・菊池雄星投手推薦。わかりやすいイラストと解説が、筋トレ効果を最大限にアップする!
感想
筋トレに励むトレーニーの必読書。筋トレの効果を最短で最大限に発揮するために、理想の体を手に入れるために遠回りしないために。さあ今日からあなたも、ケツで押し込め!
表紙
要約・メモ
(はじめに)
- 「ざんねん筋トレ」=間違ったやり方や意味のないやり方、で損をしてはいないか。
- 手押し車のフォームですべてが分かる。ロジカルな手押し車は、全身の筋肉の力を使って進むことができる。
- トレーニングの意味合いをしっかり考えて、ひとつひとつ意味のあるものに。
「これがロジカル筋トレ」
- 腰痛解消のために腹筋をつけるは大間違い
- なぜ腕の太いピッチャーは少ないのか
- ケツで押し込め!が下半身トレーニングの基本
(第1章・ロジカル筋トレとは何か)なぜ?を考えるか否かで大きな差がつく
- 30回以上できるトレーニングは時間の無駄。
- 筋トレする人がハマりやすい3つの罠。①回数②セット数③キロ数(重量負荷)。
- 大きく左右するのはトレーニングフォーム。
- プロでさえ筋トレ自体が目的に。
- リーズンホワイを頭に浮かべて原点に立ち返ること。根拠が必要。なぜ筋肉をつけるのかの目的や理由も。
- 部活動のお決まりのトレーニングは意味がない。思考停止状態で体を動かしているから。
- その腕立て伏せは何のためにやっているのか。
- いいからやれ、つべこべ言わずにやれ、は時代遅れ。
- 目的をはっきりさせてたまにやるのなら、「地獄系トレーニング(1000本ノック等)」もアリ。
- フィットネスクラブでもなぜやるのかを考えるべき。
- 自宅トレはどうして間違った方向へ行きやすいのか。
- フォーム、力の入れ方、正解が分からない。
- 行うことのできるトレーニング種目やレベル強度が限られてしまう。
- バランスの崩れた体になってしまう人の特徴。計画がない。
- 無茶なトレーニング目標はマイナスでしかない。
- できた!にフォーカスを当て続けていくことが大切。一歩一歩着実に目的に近づいていくこと。
- ロジカルにトレーニングを進めれば、遠回りなく、最短距離で目的達成できる。
- 筋トレとは合理的な動作を習得すること。一切手を抜かず、狙った筋肉にしっかりと負荷がかかる合理的なフォームを要する。
- すると生活動作もどんどん理にかなったものにシフトしていく。
- トレーナーの業界では、休眠状態だった神経と筋肉を目覚めさせ新たな回路を開通させていくことを「促通」と呼ぶ。これは文字通り、「通ること」を「促す」という意味。
- そもそもトレーニングとは、私たちの中の可能性を引き出してくれるもの。
- どうせやるなら効率よくたくさんの可能性を引き出した方が良い。
- もう迷うことはない。もう遠回りする必要もない。
- ロジカル筋トレを行えば、人は大きく変わる。
(第2章・体幹)腹筋と腰背部の筋肉は固めてはいけない
- 間違いだらけの腹筋トレーニング。
- 起き上がり運動をいくらやっても腹筋が割れない理由。
- 腹筋のタテ割れは腹部体脂肪の減少によって起こる現象。
- 腹筋トレではお腹の脂肪は1グラムも減らない。
- 筋トレでお腹をへこませよう、という願望を持つのはやめて。
- 腹筋をはじめ体幹の筋肉は、あらゆる運動動作の基本となる部分。
- しかし、腹筋・体幹が重要だからといってガチガチに固めすぎると、逆に体の動きを落とすというざんねんな結果に。
- 力を入れるべきときは入り、抜くべき時は抜ける「しなやかな柔軟性」が必要。
- 体幹は下肢の力を上肢へと伝えるブリッジ。
- 固めるよりも動きのトレーニングを重視せよ。
- 体幹の力が弱い人にはスタビライゼーションは大きな効果発揮。
- しかし、体幹にそこそこの力があり、ある程度の姿勢保持能力を備えている人は、必要ない。
- ある程度体幹に力がついたら「固めるトレーニング」よりも「動きへの対応力をつけるトレーニング」へ。
- 見逃されがちな腰背部の筋肉の秘めた力
- 腰背部の筋肉は、腹筋の裏側の腰回りにある筋肉。腹筋と対をなし、拮抗筋の関係。
- 腰は反りすぎでも丸まりすぎでもなく、常にニュートラルな状態を維持すること。
- 体幹の筋肉を効率よく合理的に鍛えていくためのトレーニングハウツー。
- あくまで、ざんねん筋トレとロジカル筋トレの違いを明らかにすること。
- 【クランチ】頭と背中を一直線にして、「胸から先に行く」ようなつもりで上体を起こしていく。腰を十分に丸め、腹の力だけを使って上体を上げ下げする。
- クランチで鍛えられる筋肉は腹直筋オンリー。クランチと同系統の腹筋トレである【シットアップ】を行うと良い。腹直筋だけでなく腸腰筋も鍛えられる。腹筋を中心とした筋肉の連動性を高め、パフォーマンス向上に役立てていける。疲れにくい体づくりを目的とする人もシットアップがベター。
- 【ツイストクランチ】腹斜筋を鍛えるトレーニング。体を起こしてからひねる、のでは意味がない。体をひねった状態をキープしながら体を起こすようにすること。上体の重みがどっとのしかかってきて、一所懸命腹斜筋に力を込めていないと体をほとんど起こせない。
- 【レッグツイスト】体幹強化のトレーニング。左右の足をズラしてしまうと効果が半減。両足を揃えて骨盤をしっかり回転させること。ひざを曲げたフォームの場合も、両ひざも両足の先もぴったりくっつけたままにすること。
- 【デッドリフト】腰を丸めるた状態または反らせた状態で上げてはいけない。バーベルを持ち上げきったときに、頭ー背中ー腰が一直線のラインになっていること。腹筋を使ってバーベルを上げる、腰背部、脊柱起立筋、大臀筋など、体の裏側の筋肉と連係、全身の多くの筋肉の力でバーベルを上げる。総合的に筋力を底上げしていく。
(第3章・上肢)
- 男は腕を太く、胸を厚く、にハマりやすい。強さとたくましさの象徴。
- ただ、私はそれだけの理由ではないと思う。腕、胸、肩などは最も目につきやすい部位。自分とはこういう人間なんだ、ということを自分で確認したり他人にアピールしたりするための手段となりやすい。
- 自分の筋肉が認められるのは自分が認められるのと同じ。自尊心がくすぐられ「筋肉という身分証明書」への信頼度がいっそう高まる。
- トレーニングに熱心になりやすい部分だけに、上肢を鍛える際には十分な注意が必要。
- 腕の太いピッチャーはいない。力で振り回すのではなく、ムチのようにしならせて力を伝えている。
- 見た目か機能、鍛える目的はどちらなのかをしっかり捉えてトレーニングして。
- 上半身の筋肉を動かすカギは、僧帽筋(そうぼうきん)と肩甲骨。
- 肩の筋肉の盛り上がり=僧帽筋、背中の筋肉で、鍛えると首から肩にかけてのラインがだんだんと山のように盛り上がってくる。
- 僧帽筋が動かしているのが肩甲骨。肩甲骨が大きく動けば「ため」をつくれる。
- 背中をトレーニングすることの重要性をしっかりと心に刻んで。
- 上肢は力をアウトプットして結果を出すところ。パワーは下肢⇒体幹⇒下肢と伝わる。
- このとき、上半身のキャパシティーが弱いと、下半身から上がってきた力を受け止めきれず、体が大きくブレてしまう。合理的に力を発揮していくには、下半身に釣り合う上半身の鍛え。
- 【プッシュアップ】体の上げ下げではなく「地面を強く押し込む」のがコツ。腹筋に力が入り、頭から尻までが一直線になるように。腰が反り、おなかが落ちていると、腹筋に力が入っていないので、単なるひじの曲げ伸ばし運動になってしまうので注意。
- 【チェストプレス】肩を浮かせると大胸筋を鍛える効果が半減。背もたれから肩を離さない。ハンドルの位置は手前気味だが、この方が大胸筋がよく使われる。
- 【ベンチプレス】(重量を上げたい人)手の幅は目一杯広げる。両足を思い切り踏ん張り、腰を大きく反らしてバーベルを上げる。バーベルの移動距離が少なくてすむ。(ボディメークをしたい人)上腕が床と水平になったときにひじが90度になる位置を握る。肩甲骨を動かさず、肩だけを動かしてバーベルを上げる。腰は反らさず、軽く腰がシートから浮く程度までにする。(スポーツパフォーマンスを上げたい人)左右の肩甲骨を出来るだけ寄せて、ひじを伸ばしてバーベルを持つ。胸を張っているので胸部分が盛り上がり、その結果、腰とシートの間には少しだけすき間ができる。降ろすとバーベルの力で肩甲骨がシートに押し付けられ、その反作用の力でバーベルを上げていく。
- 【ラットプルダウン】首が長い状態を保ったまま、肩甲骨を下げ、両ひじを後方に引く。握る場所はバーの一番外側。肩が上がり、首が縮まった状態で両ひじを真下に向かってひくと、十分な効果が得られない。「下方向ではなく後方へ引く」という点も重要。
- 【ショルダープレス】肩を盛り上がらせたいなら真上に上げる。身体をまっすぐに立てたフォームで行うこと。身体を後ろに反らした姿勢で上げると、三角筋だけでなく大胸筋が使われる比率が上がってしまう。
- 【ダンベルカール】キツイ上げ方かラクな上げ方かで大きな差がつく。ダンベルを持ち上げるときは、ひじを後ろに引く。負荷が大きくなる。勢いよく反動をつけて、腕の曲げ伸ばしを一気に動かすと負荷がかからない。
(第4章・下肢)
- なぜ、「足腰を鍛えろ」と言われるのか。
- 最終的にたどり着くのが、「地面との関わり」。
- バーベルを上げるときは「地面から力をもらう」。
- 剛速球のピッチャーは下肢が強い。アクセルとブレーキのふたつの役割。
- 強い球・速い球を投げるには、どれだけ強く前足のブレーキをかけられるか。
- そのブレーキングが強ければ強いほど、上半身や腕がビュンッと力強く出ていく。
- どうせ走り込みをするなら「意味のある走り込み」を。
- ①足腰を鍛えるのに向いた走り込み:一歩一歩地面を押し込んでランニングをする走り込み。
- ②速く走れるようにする:パンッ、パンッ、と勢いよく地面から弾かれるような走り方。
- ③持久力を高める走り方:足腰の疲労を極力少なくするために関節のクッションをうまく使って軽い走り方。
- 四股や鉄砲は非常に合理的な下半身トレーニング。
- 鉄砲稽古、手で柱を突いているのではなく、足で地面を押している感覚。足腰で生んだ力を腕から手へと連動させる。
- 強い力を生む最重要ポイントは尻。
- 人間が体から生み出す力の中で、尻から発揮される力が最も強いとされる。
- ケツで押し込め!が下半身トレーニングの基本。
- 階段は尻を使って上れば疲れない。つまさきではなく「かかと」で踏み込んで上る。一歩一歩ステップを押し込みながら尻で上る。
- 【スクワット】地面を押し込んだ反作用でバーベルをあげていく。姿勢はまっすぐ、お尻もほとんど突き出ていない。体の中心軸がブレず、上下の直線で動いている。ゆっくりしゃがみ、ゆっくりと立ち上がる。
- 【ランジ】「前後運動」ではなく「上下運動」で行う。立ち上がっても重心はやや前のまま。体は前後にゆれず、縦方向にしかうごいていない。
- 【レッグプレス】板を押すことよりも、尻をシートに押し込むことを意識。尻がシートに深く刺さっている。
- 【レッグカール】つま先の向きで「鍛えられる部分」が変わってくる。つま先はそろってまっすぐ上を向けて、O脚やX脚の改善にも繋がっていく。
- 【レッグエクステンション】軽い負荷でもいいからひざをまっすぐ伸ばす。ひざを最後まで伸ばし切る。ざんねんより軽い負荷でもこちらの方が内側広筋に負荷をかけられる。腰を丸めず、胸を張って頭〜腰のラインを一直線に。
(第5章・ロジカル筋トレで人は生まれ変わる)
- ハイスペックな自分を維持するための筋トレ。最近の筋トレブームの牽引役は、アスリートよりビジネスパーソン。
- 日々のハードな仕事に耐えられるように、常に自分の体をしっかり管理しておきたいという思い。
- 筋トレもビジネスもPDCAサイクルを回すことが大事。
- ワークアウト:課題をこなす、やるべきことをやり切る、という意味。
- 自分をマネジメントする力、が試されている。ニューヨークのエグゼクティブには、肥満体型も喫煙者もいない。
- 筋肉は自分を証明してくれる。肉体は共通言語。自分が何者であるか、を名刺や肩書以上に雄弁に語ってくれる。
- アイデンティティー:自己同一性のこと。すなわち、この筋肉があってこその自分だ、この筋肉がないと自分じゃない、というくらい自分自身を語るのに欠かせない。
- 筋トレには人を大きく変える力がある。自分という人間に自信がついて、日々の仕事や生活でもしっかりとしたマネジメントができるようになる。
- 手っ取り早く自信を育むことが可能。有能感や自己効力感を得られる。
- 自信とは:自分の能力や価値を確信すること。
- 顔や態度などに現れる自信は「オーラ」のように他人や周りの人が見てもすぐにわかる。
- 一流の人は「なぜ」にこだわる。思考回路も「ロジカルな思考や考え方」に変わる。なぜこれをやるのか、なぜこのプロテインなのか。
- 「なぜ」にこだわりだすのは、成功をつかむ第一歩。筋トレに限らず、ビジネスや社会での成功にも、人生の成功にも同様に言える。
(おわりに)
- なぜ筋トレをやるのか。その理由は人それぞれ。目的は違っても共通項はある。自分にとって大きな見返りがやってくるということ。
- ロジカルに筋トレを行うと、筋肉を大きくするだけでなく、自分という人間を大きく成長させて変えていくことができる。
- 自分の将来にとても大きなリターンを生む自己投資のようなもの。だからこそやみくもにやってはいけない。
- 筋トレはロジックだ。ロジック筋トレこそが、最短距離で成果を出すための最高のソリューション。
- なぜ、これをやるのか?を追求し、合理的に力を発揮するトレーニングで、自分の人生をよりいっそう輝かせていこう。