まちづくり・社会教育活動の実践あれこれ

日々への感謝とアウトプット

読了「静かな人の戦略書」ジル・チャン・神崎朗子

どんな本

騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する方法。聞く力、気配り、謙虚、観察眼、、、「静かな人」の才能が全部分かる本。

 

感想

著者が一貫して伝えていることは、自分自身をしっかりと理解すること、だがそれらに縛られないこと。そして、自分の強みや才能、長所、かけがえのない価値をアピールして輝くこと、の大切さである。個人的にはそれらに加え「プロ意識」というワードが心に残った。内向型で静かな人へ、おすすめの一冊。

 

表紙

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要約・メモ

(はじめに)

  • 口数は少なくても、誰もが耳を傾けるような、自分の意見をきちんと主張するための実践的な方法をお伝えしたい。
  • 内向型であっても、外交型であっても、自分の個性を大切にして、安全地帯から一歩踏み出すこと。他人に貼られたレッテルのせいで、自分の可能性を狭めてはいけないこと。この本でいちばん伝えたいのは、そういうこと。
  • 自分の性質を生かして仕事で活躍する方法や、さまざまなカルチャーに合わせて、コミュニケーションの取り方を柔軟に切り替える方法がある。

 

(イントロダクション・鎧を脱いで身軽になる)

  • 自分のタイプを知るテスト

 

(第1章・静かな人の「仕事」の戦略・冷静沈着に戦略的思考を生かす)

  • 1はったりはいらない:自分らしく内向的な性格のまま生きていこうと決める。ありのままの自分になる。
  • 2戦略的に得意なことで勝負する:最重要スキルを見つけ、鍛え抜くこと。
  • 3「核心」の能力を集中的に磨き上げる:内向型の脳は即座に反応するのが得意ではない。外交型になろうは得策ではない。死ぬこと以外の苦労は人を強くする。
  • 4独特の「脳の特徴」を武器にする:静かな人の能力は見えにくい。内向型がエネルギーをチャージするには、一人になる必要がある。
  • 5自分を「現実的」に見つめ、受け入れる:自分は何に重きを置いているのか?もっとも大切にしたい価値、自分がもっとも価値を生み出せる仕事を考える。自分にぴったりの仕事を見つけるか、仕事に合わせて自分を変えるしかない。
  • 6ストレスフリーで「新しい環境」になじむ:①まずはひとりと仲良くなる、その人を足がかりに、他の人たちとも知り合っていけばいい。②大人数より一対一で話をする。③ちょっとしたことでも訊いてみる、自分からまわりの助けを求めて。
  • 傾聴出来る能力を生かす。この人は本当によくわっかてくれるな。
  • 対面が苦手ならチャットで補う。SNSが絶好のチャンスをもたらす。
  • 準備して先手を打つ。一対一のミーティング、プレゼンの場など準備。
  • *自分に合った仕事を考える4つの質問
  • ①大きくなったら、何になりたいと思っていたか?:子どもの頃の夢を思い出すことで、手がかりをつかめる。
  • ②どんな仕事に魅力を感じるか?
  • ③どんなものに憧れるか?:心から憧れるものといのは、実際に自分がしたいことやなりたいもの。
  • ④生まれつき才能に恵まれていることは?:努力しなくてもたやすくできてしまい、人から驚かれたり褒められたりした経験。

 

(第2章・静かな人の「人間関係」術・深く聞く力で人を魅了する)

  • 7仕事の戦場で「味方」を増やす:信頼ほど価値のあるものはない。仕事だからこそ距離を縮められる。力を合わせて困難に立ち向かうため、固い絆と信頼関係を結べる。
  • 8落ち着いて「もめごと」をさばく:4つの方法、①ひと息ついて戻ってくる、②思いやりをもって相手の話を聞く、③コミュニケーションのチャンスにする、④引きずらない。
  • 9「他人の感情」にいちいち振り回されない:内向型は他人の感情に影響されやすい。落ち着いて話を引き戻す。怒鳴り返すのはかえって逆効果。一歩引いて参戦を遅らせる。自分の立場をはっきり示す。伝えたい情報を相手に十分理解させる。好かれるよりも信頼関係。相手の強みを生かす。
  • 10「電話」は難敵にも強い味方にもなる:①発信者認識アプリを利用、②どのくらい時間があるかを最初に伝える、③準備した内容に沿って話す、④自分のペースを意識する、⑤あらためて返事をすると伝える、⑥メールやメッセージを併用する。
  • 11「交渉」を成功させるカギは聞く力:野心と性格には何の関連性もない。私生活のことをぺらぺらしゃべったりしない。顧客のことを徹底的にリサーチし、顧客のニーズに耳を傾け、それに応えること
  • 12「出張」で力の浪費を最小限に抑える:出張中は思いがけないことが起こる場合もある。事前の計画と確認によって、急な変更のリスクを減らせる。自分の慣れ親しんだ身近なアイテムで、不慣れな環境でも守られ安心する。
  • 13外交型文化のなかで「バックハンド」を戦う:外交型文化の中では優れた表現力と社交力があれば人は成功するという通年が浸透。内向型と外交型は惹かれ合う。正反対の性格の人とうまくやっていくコツ。①遂行能力を発揮する、②敬意を払う、③ユーモアを挟む、④苦戦する仲間に手をさしのべる。内向型は危険を回避し、エネルギーを節約し、失敗を減らすための生存戦略を身につけている。不思議なほど他人の考えやニーズがよくわかる。ひとつのことに粘り強く取り組んで成果を出すことこそ、価値を生み出す能力。
  • *コミュニケーション手段として優れているオンライン会議
  • ①カメラを確認し、話題を用意しておく:まずは会議の冒頭に打ち解けるためのフレーズを考える。(おはようございます。こんばんは。お元気ですか?沈黙しないような話のネタ)
  • 資料を全面に出す:意義ある発言や的を得た提案を聞きたがっている。いい提案ができれば、注目はあなたの顔ではなくツールに集まる。
  • 進んで議事録を取る:主催者や重要なスピーカーではなく、議事録の担当者が決まっていない場合は自ら進んで議事録を。
  • 電話やオンライン会議だけでなく、休憩室や廊下での会話も立派なコミュニケーション。(クライアントの⚪︎⚪︎社は最近どんな感じ?そういえばこのところ連絡がないなと思って)

 

(第3章・冷静な力を「人前」で生かす・完璧な準備で「質の高い」仕事をする)

  • 14長所を生かせば「イベント」は楽勝である:どんな社交イベントであれ、内向型が悠々と楽しめる方法なんてない。エネルギーはもっとも重要な資産。社交イベントに出かける前に、出席すべき理由を自分のなかで明確にしよう。ポジティブに考え、積極的に挑戦して、少しずつ自分の居場所を広げていこう。入念に準備する、あえて前に出る
  • 15そもそも、本当に行く必要があるのか?:行かないという選択肢も検討する。参加するなら「前向き」になる。モチベーションがこれっぽっちもないとわかったら、行くのはやめよう。「無理のない目標」を設定する。できるだけ具体的に。(参加者のうち最低でも一人とは名刺交換をする)
  • 16勝敗は「始まる前」に決している:プランを完璧に用意する。体調に気をつける。人を知るには己を知る。効果的な自己紹介、〇〇をやっています、だけではなくなぜそういうことをしているのかの理由を語る。たくさんの人と話さなくていい。脱出口を確保する。自分を演出する、110%の力を発揮。
  • 17社交は「戦略」がすべて:会場に入る前に意識すべき戦略、①ゆっくりとなじんでいく、②雑談のネタを用意しておく(その土地の気候や食べ物、仕事、業界)、③主催側の手伝いをする、④少人数の輪に入る。会場を出たあとの戦略、①名刺を分類する、②人を紹介する(自分のネットワークから互いに関係のありそうな人を紹介、相手への貢献)、③SNSを活用する(内容や頻度には注意する)。
  • 18人前で話す極意:緊張は自然な反応と割り切る。(スーザンケイン)恐れや臆病の克服、新しい脳が古い脳をなだめるプロセスである。あがり症は人間の生体システムの反応にすぎない。ルーティーンの威力、ふだんどおりの手順や個人的な儀式のような習慣が役立つ。人前で話すコツ、①分散させる(同じ日にふたつのスピーチの予定は入れない)、②ポジティブな反応を意識する。人前での話はコントロールしやすい。努力の9割はステージの外で行う。準備でスピリットを込める。毎回「同じ熱意」があるように見せる。いつもどおりのことをやるだけとしても、全精力を傾けているように見せる必要はある。「自分のスタイル」を見つける。「別人」になろうとしない
  • 19会議で「隠れる」ことはできない:何も発言しなかったら、何一つ貢献しなかったのも同然。
  • 20静かな人は「SNS」を使い倒すべし:リモート環境で絆をつくる。同僚たちに私の仕事の能力だけでなく人柄を理解してもらうことがかなり重要。目的別で使い分ける。いちばん最初にすべきこと、プロフィールの背景を私の好きなスポーツ、野球の写真に変えただけ。文章を武器にする。SNSは膨大な時間の無駄になりうる。あらかじめ利用目的を明確にしておくこと。パーソナルスペースを守る。

 

(第4章・静かな人の「潜在能力」・しなやかなリーダーシップを発揮する)

  • 21「謙虚さ」こそが成功をもたらす:①自分の弱点や自分に欠けているものを知っている、②個人の利益よりもチームの利益を優先する、③つねに勉強と練習を怠らない。静かな人も、自分の強みを見つけ、得意分野や特徴を生かし、自分の長所を前面に出して貢献すれば、チームにとって不可欠な存在になり、道を切り拓くことができる。
  • 22タイプを混ぜれば「最強チーム」ができる:内向型と外向型の両方で構成されたチームが非常に効率的。6人の会議では、そのうち2人の発言が全体の60%を占めている。内向型には発言を、外向型には傾聴を促す。
  • 23あえて「正反対」の相手とタッグを組む:内向型と外向型が一緒に働くチームは、両方の長所を兼ね備えている。自分自身が向上できると同時に、チームを強化することができる。人々が職場でともに働くことの醍醐味のひとつ。
  • 24上司を「管理」して正当な評価を得る:マネージングアップ(上司の管理)は、ご機嫌取りをすることではない。その目的は、利益や特典を手に入れることではなく、仕事の効果や効率を向上させること。上司の4つのタイプ、①主導型(状況をコントロールしたい)→ポイントを説明、②感化型(新しいことが大好き)→新規性と裏付けを伝える、③安定型(伝統や和を重視する)→前例を示す、④慎重型(正確なデータで判断する)→詳細なデータで説明。
  • 25リーダーに「カリスマ」はいらない:イーロンマスクもビルゲイツもウォーレンバフェットも内向型。カリスマより大事なもの、きわめて謙虚でありながら、徹底的なプロ意識の持ち主。深い川は静かに流れる。相手の話に耳を傾ける内向型リーダーは、積極的に提案や提言を取り入れ、チーム全体にとってもっとも有益な決定を下すことができる。
  • 26「静かな羊」がライオンを導く:内向型リーダーは目標に集中し粘り強く達成を目指す。賢い組織は敵が予想もしないところで攻撃をしかける。「傾聴」と「戦略的思考」を駆使できる。少人数の親密な関係をつくれる。問題を冷静に整理できる。
  • 個性より「適応能力」が重要:内向型は外向型のふりをしたり、外向型がリーダーシップを発揮する方法を研究したりする必要はない。内向型ならではの、人とつながる方法をもっているから。あなたが取り組むべきことは、自分の時間と知識を惜しまずに、チームと共有すること
  • あなたの個性は重要ですが、適応能力はさらに重要。あなたがどんな人になるかは、性格の特性ではなく、それをどう生かすかによって決まる。
  • 人間社会が興味深いのは、サバイバルの方法や成功する道筋はいくつもあるということ。それはどんな職場にも当てはまる。
  • 自分の強みや才能、長所、かけがえのない価値をアピールして輝くことができれば、子羊のように静かな人でも、誇り高いライオンの群れを率いることができる。ライオンが羊の群れを率いるよりも、よっぽどすごいこと。
  • 自分自身を理解すること。だが、それらに縛られないこと。自分をよく知ることによって、自分の限界を意識的に超えられるようになる。内向型、外向型というレッテルで自分の可能性を狭める必要はない。