まちづくり・社会教育活動の実践あれこれ

日々への感謝とアウトプット

読了「40歳から伸びる人、40歳で止まる人」川北義則

(どんな本)

人生最大の分岐点は40代、そこから人間として伸びて「本物の大人」になれる人と、そのまま成長が止まってしまう人に分かれてしまう。歳を取って単なる「中古車」になるか「クラシックカー」になるか。50代からの人生を有意義なものにする助言・考え方が満載の一冊。

 

(感想)

40歳を越えた自分にピンときた一冊。著者の一方的な考えだけではなく、歴史上の格言・名言がふんだんに紹介されていて大変有益であった。特に心に響くのは「いまここで楽しめない人生は、永久に楽しめない。」ということ。様々な人生本で「いまここを生きる」という内容が共通して言われる通り、どれだけ言い訳せず今目の前の自分の人生を受け入れ、自分の全力をどれだけ出せるか、一所懸命になれるか、が唯一の答えと言える。そして最終章の家庭に関する考え方は、自分の中で消化できるまで何度も反芻したい格言ばかりなので、子を持つ男性にはぜひ読んでいただきたい。

 

40歳から伸びる人、40歳で止まる人 (PHP文庫) | 川北 義則 |本 | 通販 | Amazon

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(目次)

第1章.本当の人生は40歳から始まる

第2章.あなたは本当の大人になりきれたか

第3章.自分と仕事の関係を見直すとき

第4章.家庭での男の責任とは

 

(メモ)

1.本当の勝負は四十代から。弱いものほど早く結論を出したがる。まだまだ。心に余裕を。

2.目標設定が最大のモチベーション。「人間は自動目標達成装置」である。目標や生きがいを与えると自動的に行動を始める動物。目標がないと人は衰える。

3.人は会った人間の数だけ賢くなる。IT社会を危惧、人々はますます人間音痴に。

4.失うものより得ているものを大切に。失うことは何か新しいものを得ていること。

5.悪しき偶然はなるべく早期に処理し脱却、よき偶然は必然へともっていくこと。「大きな幸運より大事なのは用意が整っていること」(クリスクリストファーソン)

6.多数の意見に支配されがちなのが、いまの世の中。いつも多数が正しいわけではなく、少数意見に真理がある場合が少なくない。社会全体がダサい。

7.歳を取って単なる中古車になるかクラシックカーになるか。何かに打ち込むこと、時代の流れにやたら追随しないこと。情報化社会へ警鐘。

8.人間には本能的に「人の役に立ちたい」という意識がある。頼まれがいのある人間へ。人間は五分と五分の「信頼」でいきたい。

9.四十代の過ごし方が実は一番難しい。この年代をどう過ごすかで、その先の人生が大きく変わる。仕事以外にも積極的に取り組んで。第二の人生で男が元気なく、女がいきいきしていうのは自分磨きをしていないから。今できないことはいくつになっても出来ない。子どもには勉強だけでなく人格教育を。記憶力や吸収力の盛んな時期に教え込まないとロクな人間に育たない。

10.デーヴィッド・グレーソン「いまここで楽しめない人生は、永久に楽しめない。いまここで賢明な生活を送らなければ、永久に賢明な生活はできない。」トーマスドライアー「人生を楽しむべきときはいま現在だ」

11.勉強がどれだけできても、一流大学を出ていても、会社の仕事ができても、それだけで真の意味での社会人としては十分ではない。会社や仕事から離れると何をしたらいいのか戸惑う。そういう人間は一人前の大人でない証拠。いろいろなソフトウェアを自分の中に持ち込んで。

12.デールカーネギー「あらゆる成功の秘訣は簡単なことだ。健全な心構えをもつだけでいい」健全な金銭感覚を。

13.理想とする老人像のモデルを真似る。外見に現れたそのままを真似るのがコツ。顔の表情、しゃべり方、服装、しぐさなど。

14.お金を使うことが人を成長させる。金で買える幸せは買ったほうがいい。

15.森永卓郎さんの明るさ。人間の本質はホモルーデンス(遊ぶ人)。

16.お金を使って人生を楽しむ。

17.社会学者AHマズロー5つの欲求。アンドリューカーネギー「人間がお金をもって死ぬことは大変不名誉なことです」損な役回りを買って出よ。

18.いい加減=ほどほど=良い加減。

19.人生のラストシーンを大切に考えて生きよう。

20.中高年は別れに強くなる必要がある。

21.中高年世代の義務。人間として守らねばならないもの。きっちり守り、それを子どもたちに伝える義務。

22.なめられてたまるかという気概を。

23.単純な正義感が増えすぎ。ものごとの表裏を知ること。武家社会、殿のために平気で命を投げ出したが、妻や子どものために命を投げ出す侍は少なかった。現代の企業戦士も同じ。

24.楽しみな第二ラウンドを自ら準備せよ。

25.成長が止まる人と、伸びる人との差は、好きなことをしているかどうか。好きなものは後回しにせず真っ先に食べる。苦労があるなら逃げないで受け止める。それがまともな大人の生き方。だが40歳を過ぎたら苦労ばかりの生き方を反省して。

26.むやみに流行を追いかけないのが大人の見識。

27.服装の崩れは心の崩れ。服装は人となり。(河合隼雄)心の自然が保たれれば自害行為は起きない。心の自然が破壊されているから。服装段階で子どもを叱る必要。

28.バーナードショー「四十歳以上の男はみな悪党だ」。いい人だらけの社会は、実はいい社会ではなくて幼稚な社会にすぎない。

29.ジョハリの4つの窓。相互に理解して納得できるのは第一の窓のみ。人の心は分からない、ということを前提に。

30.人間には、親の心・大人の心・子どもの心の三つがある。それらを適切な状況判断の下で発揮する術を心得る。

31.成果主義の現代においては、一にも二にも自分を磨くしかない。

32.二足のわらじも悪くない。変化の激しい時代、思いついたら即実行が良い。第一の人生の旬の時期に第二の人生の準備をするのが良い。

33.男も自分磨きにお金をかけるべき。

36.「あまりにも多くの人が、あまりにも早く自分の職業を決め、後はいまさら投げ出すわけにはいかなくなってしまったといって甘受し、衰弱していく運命にある」(ニーチェ

38.「森羅万象、僕の興味はそこにある」(資生堂名誉会長・福原義春)。好奇心にも有効期限がある。「興味があるからやるというよりは、やるから興味ができる場合が多いようである」(寺田寅彦)。

39.(船井幸雄)人間関係の分類は5種類。薄い順に①その他大勢ゼロ円、②ファン10円、③知人10万円、④友人100万円、⑤信者1億円(=ごく近しい人、家族も含む)

40.「書を読めば万倍の利あり」(王安石・勧文学)本を読むということは、学校へ行くのとほとんど変わらない。本の良いところは単に知識を得られるというだけではなく、本を通じて著者および登場人物と出会い、親しく接することができる点だ。

41.どうせ資格を取るなら「役に立つ」より「好きな道」で。

42.家族は他人の始まりである。しかし、人間が社会で暮らす最初の単位は家族である。この家族をうまくやれないで、社会でうまくやっていけるはずはない。また、家族がうまく機能しないで、社会がうまく機能することもない。(中略)家族がバラバラのようだったら、意識して「家族する」ことから始めたい。

43.妻が怒るのは自分という存在をないがしろにしたことへの恨みつらみ。妻の存在を認め、感謝し、機嫌を損ねない日頃からの努力を。

44.(ドイツの劇作家グラッペ)「女は深く見、男は遠くを見る」。男と女は、理解し合うことは難しくても、協力し合うことは可能。

45.「結婚前は両目を大きく開いて相手をよく見よ。結婚してからは片目を閉じよ」。

46.結婚という行為は、最初の姿で何十年も続くものではなく、昆虫のように変態を遂げていくものなの。

47.アロンソンの不貞の法則。妻を一日100万円で貸してくれと言われたら?

48.現代人は過剰なコミュニケーションの結果、思索の習慣を失った。

49.無責任なリタイア情報に引っかからない。

50.(曽野綾子)「子どもは最も親しい他人」。今の世の多くの親は、動物にも劣る子育てをしているのではないか。時には子どもを最も親しい他人と見る必要がある。