まちづくり・社会教育活動の実践あれこれ

日々への感謝とアウトプット

日本教育No.538

今月号が届きました。いつもありがとうございます。

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特集:生成AI どう向き合うか

巻頭インタビュー:算数・数学嫌いの克服は工夫次第 動画も使って授業を楽しくしよう(数学教師芸人・タカタ先生)

  • 数学をお笑いで楽しく伝えたい。教育ユーチューバーとして活動。
  • STEAM教育、問題を解くだけでなく、問題を作ることが教育の中に組み込まれれば良い。
  • 世界的数学者の岡潔さん「数学は情緒である」という言葉。問題が解ける解けないではなく、数学という活動をしている時に自分の心が動くことこそが、数学を学ぶ一番の理由。
  • 学校の先生も人手不足かつ多忙、授業準備も満足できない現状。だからこそ、授業のアクセントとして数学動画を活用して欲しい。
  • 教育ユーチューバー、自分たちが学校の先生の代わりになると思っている人は一人もいない。学校教育はこんぽんであり、使えるところがあれば使って。
  • 答えがない、とは言え、何かしらの仮説を基に仮の答えを出して、その上で判断や選択をしていかなければならない。
  • 仮で前提を設け、その前提の上で仮の答えを出す行為。そのときの忍耐力や実行力を養う意味で、算数・数学はとても良いトレーニング教材になる。

 

私の提言①:こどものやりたいを地域で応援(NPOキリンこども応援団代表理事・水鳥博隆)

  • 父母同士を最初につなげてくれたのが、地域の小学校の校長先生。
  • 地域に子ども食堂が生まれ、校長先生にちなんでキリンの家と命名
  • 単に子どもに食事を提供するだけではなく、職業体験や調理体験などを実施。
  • 子供たちなりに目標をもって取り組んでいる。来客数を増やす工夫。
  • 学校かフリースクールかを選ぶというorの発想になりがちだが、そこではandという発想が大切
  • 大切なのは学校と私たちのような地域の団体と保護者の三者が、子どもたちをどう包み込んでいくのか、andのかんけいをどう作っていくのか。
  • 不登校の子どもたちがフリースクールでどのように頑張っているのかを知ってもらい、学校に通うようになった場合、その知見を生かしてほしい。

 

私の提言②:創造性や批判的思考を育むAIに(スタディポケット株式会社代表・鶴田浩之)

  • 電卓が出てきた時、計算する力が育たなくなるという理由で反対する数学関係者がいた。
  • 生成AIもひとつのツール(道具)であり、使い方次第。特に教育分野において真価が発揮されると考える。
  • スタディポケットという学習アシスタントを開発。チャット(対話)を通して児童生徒の探究的な学び、個別最適な学びを支援。
  • 学校の先生もAIツールを触れてみることで、児童生徒との接し方のヒントが得られるかもしれない。

 

進化するAIを道具としてうまく使う(元人工知能学会会長・松原仁

チャットGPT。Generative(生成)、Pre-trained(事前学習)、Transformer(トランスフォーマー)の意。米Open AI社が開発。

①生成AIの能力:2023年にchatGPT4が発表。米の司法試験及び医師国家試験で合格点。T型フォードの登場に匹敵。メリットがデメリットを上回る。

②生成AIの問題点:1ときどき間違える、2根拠が薄い、3著作権の問題、4情報漏洩の恐れ、5人間の思考に影響を及ぼす可能性、6教育に影響

③生成AIへの対応:著作権の問題以上に倫理の問題。データ提供者にいわばただ乗りする形。日本は開発と保護のバランス比較的良い。

④生成AIの今後の展望:従来は文章だけだったが、GPT4は文章、音声、画像、動画を対象。さらに進化した生成AIを道具としてうまく使いこなす必要。

 

三つの視点で生成AIを学びの道具に(千葉大学教育学部教授・藤川大祐)

①学び方を教えてもらう「コーチ」に

②まず挑戦、すぐに修正・改善する

③質問スキルを上げて文脈を共有する

④探究の学びや校務への活用を

いろいろな課題があるのも事実。個人情報の保護や著作権などへの配慮、生成AIについて先生自身が学ぶ際に、よい教材が少ない。基礎的なことがらを学べる教材の開発が必要。13歳以上の年齢制限がある。国レベルで、学校での活用については、一定の条件下で利用を可能にするなど、措置も必要。