まちづくり・社会教育活動の実践あれこれ

日々への感謝とアウトプット

読了「10歳から考える『好き』を強みにする生き方」宝槻泰伸

どんな本

高校中退し京都大学へ進学後、起業、子どもたちの探求心に火をつける興味開発型の教育を確立した著者が、「好き」を強みにする生き方を偉人たちの名言と共に解説した一冊。未来を生きるすべての人へのメッセージ!

感想

10歳の小学生がこの本を手に取って「好きを仕事にしよう!」となるのはごく少数かと思われる(実際、本棚に置いてみたがわが子が手に取ることはなかった)ので、子を持つ親がまずは読んでおきたい一冊と言える。そして、この本を手に取る親の多くが「いま没頭しているコトが何か将来の役に立たないか?」との淡い期待があるかと推測する(私もその一人)。しかし、それはあくまで子供が自分自身で切り開く道なのだということを念頭に置き、わが子を十分に評価し信頼しながら、様々なヒントをこれから少しづつ出せていければ良いと思えた。

表紙

10歳から考える「好き」を強みにする生き方〜人生を楽しむ仕事につくために | , 宝槻 泰伸 |本 | 通販 | Amazon

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目次

  はじめに

  1. 仕事ってな~に?なんで働くの?
  2. 好きなことを仕事にする第一歩は、「楽しい」を味わい尽くす!
  3. 好きなことを仕事にする第二歩は、「諦めない力」をつける!
  4. 「好き」が仕事になったとき…そこには新たな世界がある!

  おわりに

要約・メモ

  • 32人の世界の偉人を紹介。
  • 時代と共に変化してきた仕事の意味とスタイル。「生きるための労働」→「身分制度による仕事」→「家業を継ぐことが仕事の主流」→「高度経済成長期、企業への就職」→「好きを仕事にしやすい時代へ」。
  • ライフワーク」という考え方。人生をかけて追求したい仕事。ライスワークからライフワークへ。
  • 理由①ITの進歩②副業、兼業の考え方の変化③転職の考え方の変化。
  • 「好きを仕事」にできる時代を創り上げてくれた先人たちへの感謝を忘れずに。
  • 「今ある職業から選ぶ」ではなく「自分で創り出す」へと進化。好きな道を徹底追求。
  • 学びの本質、良い学校・会社に入るためではなく、自分が知りたいから学びたいから勉強する。
  • 結果は気にせず興味があることを気が済むまでとことんやる(井戸を掘るつもりで)。
  • クラスで全く流行ってなくても気にしなくていい、他人に合わせる必要はない。
  • やりたいと思ったら即行動。
  • 驚きや感動が人生を変える。プラトン驚きこそが探求の始まりである」。
  • 驚きや感動に出会えたときに素直に凄いと思える「ピュアな心」が大切。心をワクワクさせて。
  • 必ず現れる壁。自分の力量やステージによって壁は出現。何度でも挑戦。
  • 「才能」は幻想であってすべては「努力」の結果。「才能がない」は道を諦めるときの言い訳。
  • 好きなことを仕事にする上で、一番大切なことは「継続力」。人生最強のスキルアイテム。子供の頃に何かしっかり続けてやった経験があると大人になって役立つ。大人になってから継続力や持続力をつけるのは難しい。
  • 他人と自分を比べるのは無意味。自分は自分の人生。他人は他人の人生を歩いている。比べるべきは自分自身、昨日の自分。ベーブルース「諦めないやつを打ち負かすことはできない」。
  • 楽しむ力は偉大。好きなことは「船の帆」、楽しむ力は「風」。
  • 挫折や失敗は必ずある。貴重な体験や転機と考える。強い心や揺るがない信念が必要。
  • とにかく一歩を踏み出すこと、挑戦に自信は不要、挑戦した後に自信はつくもの。
  • とことんやり続けて上手くいかない時は、いったん休む。休息=逃げるは前向きな撤退。ゲーテ「後から楽しめないものを作ろうとするより、ぶらぶらしたり寝たりして過ごした方がいい」。
  • 前向きな撤退をしたら自分の気持ちに正直に。今までの追求が自分の未来にいるかどうか。「やっぱり好き」の思いがあれば仕切り直して再挑戦。
  • 成功はいつでも地味で面倒な作業とワンセット。突然大きな成功はない。
  • 「楽しい」と「辛い」は紙一重。楽しいけど辛い、辛いけど楽しい、の領域へ。
  • 「受け取る側=趣味」から「届ける側=仕事」へ。
  • やらされているのがライスワーク(生きるための仕事)、自ら進んでやるのがライフワーク(好きを仕事)。
  • 変化に流されないためにヴィジョンが必要。自分の生きる道は自分自身が思い描くヴィジョンによって作るべき。スティージョブズ「我々は自らのヴィジョンに賭けている。そうする方が横並びの製品を作るよりいい。」。
  • 「働く」の語源「傍を楽にする」の説も。そばにいる人を楽にする、大きな意味では「人を幸せにすること」。その喜びを感じること。
  • 「滅私奉公(自分を犠牲にし公に尽くす)」から「活私開公(好きや得意なことで公を開く)」の生き方へ。
  • 一隅を照らす、まずは自分の身の回りの人を幸せに、自分の地域の課題を解決する。その集まりが「一燈照隅 万燈照国」へ。