まちづくり・社会教育活動の実践あれこれ

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読了「賢い子はスマホで何をしているのか」石戸奈々子

MITメディアラボでの経験を持ち帰り日本でCANVASを立ち上げた作者のデジタル教育普及の歩みをまとめた一冊。小中学校一人一台タブレット端末の配備が完了した今、これから先の子どもとデバイスの正しい付き合い方を指南してくれる、未来の教育を考えるための必読書。

 

(感想)

スマホではなくプログラミング教育に使うデジタルデバイスの話が主なため、少しタイトルに騙された感は否めない。が、プログラミング教育がこの先どのような方向に進んでいくかの概略を掴むことができたし、常に柔軟な思考で、我が子と共に、教え合い学び合いたいと思えた。

 

賢い子はスマホで何をしているのか (日経プレミアシリーズ) | 石戸 奈々子 |本 | 通販 | Amazon

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(目次)

プロローグ:子どもにスマホは悪ですか?

1.なぜ世界の学校はデジタル化を急ぐのか

2.プログラミング教育のホントの意味

3.「一歩進んだ子」はデバイスをこう使う

4.子どもとスマホのいい距離感とは

5.「学校」はこのままではいられない

 

(メモ)

1.これまでの「速く計算する能力」や「たくさん覚える能力」は価値を失いつつある。さらには「決まった正解」がない時代へ。150年前の「教示主義」から「構築主義」へ。読み・書き・プログラミング。中1の数学、デジタル教材によって200時間が32時間に短縮。

 

2.なぜプログラミングなのか?家の中の家電はすべてコンピューターが制御。公共・経済もすべて。その原理を知っておくこと。創造のツール。スクラッチのコンセプト「低い床、高い天井、広い壁」。デジタルなら大量の試行錯誤が可能。

 

3.ラズベリーパイの提供。正100角形、正1万角形も試せる。作曲や演劇も。ゲームを作る子に。デジタルの強みは「創造・効率・共有」。チームで動く意味。

 

4.AIに出来ない仕事。創造力と表現力。親の役割変わる。教え合い、学び合いへ。面白い学習ツールは親子の会話を増やす。プログラミングは何歳から学ぶべきかの答えはない。ネットのトラブルは日常的な親子のコミュケーションが安全のカギ。ゲーム依存は制約を設けて。

 

5.一言にオンライン授業といっても国々で様々。家の近所の珍しい野草。オンラインの方が探求に向いている。個別最適化された学びの先。「好きなこと」「やりたいこと」をもっと気軽に考えて。何を学んだかより学び方を知ること。親には子どもと共に探索し、悩み、学ぶ役割。

 

(出てくる主なプログラミング用語)

・スクラッチ:世界で最も使われている教育言語。ウェブ上で動かせる、無料。コミュニティ機能充実。

・ビスケット:タブレット使用、無料アプリ。日本生まれ。粘土みたいなプログラミング言語

・スプリンギン:タブレット使用、無料アプリ。お絵描きに近い感覚で幼児でも使いこなせる。

・メイクコード:マイクロソフト開発の言語。マイクロビットに直接書き込める。

・メイキーメイキー:スクラッチ用外部機器。ワニ口クリップ使用。

・マイクロビット:スクラッチ用外部機器。BBC開発マイコンボード。イギリスで100万台配布。

・メッシュ:ソニー開発。カラフルなIoTブロックで無線機能、iPadなどタブレットに接続。

・レゴマインドストーム:レゴブロックをスクラッチで動かせる。

ラズベリーパイ:手のひらサイズのコンピューター。基盤むき出しでディスプレイもない。4000円くらい。