どんな本
映画「喜劇 愛妻物語」「百円の恋」などの脚本家・足立紳氏の小説家デビュー作。2016年2月に幻冬舎から刊行された元版の単行本では「乳房に蚊」の題名だったが、幻冬舎文庫に入るにあたり、同時に映画化も進み、そちらの題名に合わせて改められた。
感想
今の自分は妻を一所懸命愛せているのか?について考えさせられる一冊であった。主人公のような惨めな生活は送りたくないと思いつつも、男なら誰しも共感・思い当たるような心情描写がふんだんに盛り込まれてくるため、非常に引き込まれ、それゆえ辛い。登場する娘のことを考えると、これまた辛い。千差万別、夫婦の形は星の数ほどあるのだろうけれど、やるせない気持ちでいっぱいに。愛や幸せは能動的に作っていきたいと改めて決心した1月の夜。
表紙
喜劇 愛妻物語 (幻冬舎文庫) | 足立 紳 |本 | 通販 | Amazon
あらすじ
結婚10年。「女房とのセックス」のハードルがここまで高くなろうとは。
稼ぎもない、甲斐性もない、無職同然の脚本家のダメ夫にようやく仕事のチャンスが舞い込んだかに見えた。
働き者でしっかり者の妻、5歳の娘とともに四国へ取材旅行に向かうのだが。
どんなに激しく罵り合おうとも、夫婦の関係を諦めない男女をコミカルに描く人間賛歌小説。