どんな本
世の中に溢れる悪い情報、怖い出来事、フェイクニュース。ただ実は世界は確実に良くなっている。世界や人間の素晴らしさに目を向け、未来に希望を持たせてくれる一冊。
感想
所々に登場する格言で印象的だったものをメモに残した。一つ一つが浅く論じられているためパンチには欠けるが、「希望は持てる」という根っこのメッセージは心に強く響いた。
表紙
目次
- はじめに
- 第一章 人はやさしさと共感と希望にみちている
- 第二章 政治はよくなっているーリーダーとドリームチーム
- 第三章 美しい地球を取りもどすー環境を守る
- 第四章 すべての人をすこやかにー世界に医療と衛生を
- 第五章 みんながかがやける社会にー不平等をなくす
- 第六章 アートってすばらしいーエリートでなくてもOK
- これからのこと
- おもな情報源
- 訳者あとがき
要約・メモ
(まえがき)
- 人間の脳はもともと不安を感じる作りになっている。人間の習性。危険を見つけ身の安全を守るため。よいことよりもよくないことにはるかに影響されやすい。
- 人間の脳は時間とエネルギーを節約するために近道したがる。頭にぱっと浮かぶ情報に頼る。悪いニュースばかり探してずっと記憶しておくようにできている。
(第一章)
- 人間についての素晴らしい事実
- ①私たちには共感力がある:人と同じような感覚になれる。人の立場になれる。
- ②私たちは優しい:人と分かちあい、人にほほえむ、席をゆずる、人をほめる。
- ③私たちはクリエイティブである:持ち寄ったアイデアをもとに時間をかけ物事を進めていける生き物は人間だけ。
- ④私たちは間違いから学ぶことができる:学んで変われる力ある。
- ⑤私たちには希望がある:希望を持つこと大切。(ミシェルオバマ)「勇気は伝染しうるし、希望はひとり歩きを始められると歴史が示しています」
- やさしくクリエイティブになろう。ひとつのやさしさが大きな変化に。湖に小石を投げて広がるさざ波のように。
(第二章)
- 民主主義で力を持っているのはあなた、私たち国民。
- 民主主義社会に暮らす人の数が今ほど多い時代はない。
- これからの課題
- もっと強く、人々に寄り添い、自分の利益のために権力を利用するのではなく人々のために働くリーダーが必要。
- もっと様々な政治家が出てきて、あらゆる人々の意見が社会に反映されるようになる必要がある。
- 世界の国々のたえまない協力が必要。みんなで協力すれば、もっと多くの事を成し遂げ、もっと大きな変化を起こすことができる。
(第三章)
- 産業革命以降、地球の平均気温は人間の活動によって少なくとも1度上昇している。3度上がると壊滅的。今世紀末には3度上昇もあり得る。上昇の限度は1.5度、そのレベルを死守する必要。
- (天体物理学者・ニールドグラスタイソン)地球温暖化を信じますか、とよくたずねられます。それにはこの質問でお答えしましょう。あなたは引力を信じますか?
- 家畜が出すのは温室効果ガス全体の約15%。肉や乳製品の消費を減らすことも考えて。週1日は肉と乳製品をとらないなど。
- 二酸化炭素排出量が多いのが交通機関。電気自動車の普及により状況変わってきている。可能な限り、使う回数を減らし、歩いたり自転車や公共交通機関に乗ろう。
(第四章)
- 世界人口の約2分の1は、いまだに基本的な医療を受けられない。
- 世界人口の10人に1人は基本的な飲み水さえ手に入らない。
- 安全に管理された衛生施設を使えていない人たちは40億人を超える。(世界人口の半分以上)
- 天然痘、3000年間世界中に蔓延し、何億人もの命をうばった。1796年にワクチンができ、200年かけて根絶。(WHOより1980年に終息宣言)協力し、力を合わせて解決できる。
- 「キーワーカー」「エッセンシャルワーカー」その人たちがいなければ生活が成り立たない。医療従事者に限らず、配送業の人、ごみを収集する人、子供の面倒を見る先生など。
- 最新技術をかしこく使い、色々なことをより安く、よりよく、あらゆる人に届ける道を探して。
(第五章)
- 国と国の間に格差はある。国の中でも格差はある。
- 世界的に見ると貧困率は下がっている。
- 学校に通う子供の数、女の子の数、今が1番多い。
- 読み書きのできる子供が増え、多くの機会やチャンスに恵まれる。教育とは、機会への扉を開いてくれる鍵のようなもの。
- (活動家・ヨルダン王妃ラーニアアル)教育とは贅沢ではなく、命綱です。特権ではなく、優先事項です。
- 子供に無料で教育を与えること、学校を卒業した後は、素晴らしい仕事の世界へ。
- ビジネスは何もかも悪いわけではない。世の中のためになる仕事が期待されている。
- (ルースベイダーギンズバーグ)本当の変化、永続的な変化とは、一歩ずつ起きるのです。
- (Martin Luther King Jr.)正しいことを正しいことをするためなら、そのタイミングはいつも正しい。有名な演説「私には夢がある」。
(第六章)
- あまり有名でないアーティスト、アートサークル、ギャラリーを支援しよう。可能なら資金集めを手伝おう。そのアーティストが好きだと周りにい言おう、その人の作品を見に出かけてくれるように。美術館や博物館に出かけ、本を買い、劇を観て、素晴らしい感想を書く。どれもこれも大切なこと。
(まとめ)
世界は捨てたものじゃない。人間は捨てたものじゃない。希望はある。私たちはただ、希望を探す場所を知っておく必要があるだけ。
(クリストファーリーヴ)希望を選んだ後は、何もかも可能になる。