まちづくり・社会教育活動の実践あれこれ

日々への感謝とアウトプット

読了「2020後 新しい日本の話をしよう」河合雅司

どんな本

環境や社会の変化を傍観しない、古い価値観を脱ぎ捨てる、固定観念にとらわれぬ柔軟な発想を。コロナ後の大激変の時代を旅する多くの若者の足元を照らす一筋の明かりとなる一冊。

 

感想

良い未来を自分が過ごしたい、良い未来を子ども達に残したい、少しでもそう思えるのであれば必読の一冊と言えよう。個人としての生き方は勿論、社会との関わり方や地域づくりにおいて今後の我が指針となる良著であった。

 

おすすめ度 ★★★☆☆

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要約・メモ

  • 2025年には、3人に1人が65歳以上になる(2021年10月現在の総人口1億2250万2000人)
  • 日本列島で生きる我々が最も関心を向けるべきは社会を根底から揺るがす人口減少問題。
  • 2019年に出生数90万人を切った。(※2021年はすでに84万2897人)
  • 人口減少はじわじわと効いてくるボディブローで実感しにくい。名付けて「静かなる有事」。
  • 合計特殊出世率:15〜49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの。1人の女性が生涯に産む子どもの数の推計値。
  • 出生率1.00-1.99では1人しか産まれない。3.00以上にならないと人口は増えない。さらに出生率は上がっても出生数は増えない。
  • 子どもを産んだ女性の8割超が25〜39歳。
  • お金がないと家族が持てない→お金がない→家族が増えない。
  • 便利過ぎる社会の終焉。便利さ・無料が誰かの犠牲の上に成り立っている。
  • 多少の不便さを受け入れざるを得ない=人間らしい働き方の豊かな社会へ。
  • おばあちゃん大国日本:すでに4人に1人が高齢者(65歳以上)、女性の3人に1人が高齢者。
  • 社会を脅かすのは人口減少と高齢化。AIは仕事を助けてくれる存在に。
  • 少ない人数でも労働生産性を上げる工夫を
  • 寿命90歳時代、60代はもはや老後ではない。セカンドキャリアの認識へ。
  • 老後の生活費、十分な貯蓄(ストック)より、継続的な収入(フロー)を目指すのが現実的。
  • 若いということが大きな価値に。ダブルワークは当たり前。1人何役も。
  • 若い世代が直面する子育てと介護のダブルケア。原因は晩婚・晩産。
  • 一人っ子同士で結婚するとトリプルケアの可能性も。
  • 多死社会の到来。火葬・葬儀も一週間待ち。親族がいない場合、自治体による直葬、無墓地へ。
  • 生涯未婚率の上昇も少子化に拍車。
  • 大学に行く意味が変化。学歴はおまけ。職能を高める教育機関へ。大人のリカレントも。(※大学の数は増え続けている)
  • 小中学校は統合、連合チームも誕生。運動不足も深刻化。
  • 空き家問題。豊かに暮らすために必要なのは家を持つことじゃなくて、居心地の良いコミュニティーや助け合いの仕組みがある場所に身を置くこと。
  • 8050問題、年老いた親と働いていない引きこもりの団塊ジュニア、約6万人。
  • 買い物難民、撤退するサービス、ショッピングセンター8万7500人がリミット(国土交通省:国土のグランドデザイン2050より)
  • 公共交通機関の縮小は止められない。地域での共助による交通手段の確保など新しい仕組みづくりが必要
  • 自然災害の復興、マンパワーが必要。行政サービスも行き届かない。非常時の助け合いのために、コミュニティー内で最低限の情報を共有しておく。
  • 若い世代の政治離れ→シルバー民主主義化。70〜74歳の投票率が一番高い、一番低いのは20〜24歳。若い世代のための政策がどんどん先送りに。
  • 豊かに生きるために「戦略的に縮む」こと。

(結びにかえて)

  • 中高年の皆様に1つだけお願いがあります。それは新たな時代を切り開こうとする若者たちの邪魔をしないでいただきたいこと。古き成功の体験談、古き価値観の押し付けなど論外です。日本がこのまま衰退していってしまうのか、小さくとも豊かな国として踏みとどまれるのかは、どれだけの人数の若者が大暴れするかにかかっていると言っても過言ではありません。