まちづくり・社会教育活動の実践あれこれ

日々への感謝とアウトプット

読了「武器より一冊の本をください」ヴィヴィアナマッツァ

どんな本

「女性というだけで学校で勉強する機会を奪われたくない」とブログで訴え、2012年10月、タリバンに銃撃されたパキスタンの少女、マララ・ユスフザイの伝記。奇跡的に回復した彼女は2013年7月12日、16歳の誕生日に国連で「女性を解放する最も有効な道具は“教育"」とスピーチを行った。本書は、マララの住んでいた地域の歴史と現状、マララの将来の希望を綴る。戦争と死と禁止令にまみれた日常でも、若者たちの希望を暴力で消すことはできないことを明快に描きだす1冊。

 

感想

ウクライナ危機が世界中の世論を巻き込んでいる今、読んでおきたい一冊。マララさんの訴えとは、生い立ちとは、その後とは。2017年、国連本部でのスピーチ、彼女の言葉が2022年の現代に響いてくる。

 

おすすめ度★★★★☆

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要約・メモ

(2017年・国連本部でのスピーチの一部より)

親愛なる兄弟姉妹の皆さん、わたしは誰も敵だとは思っていません。ましてや、タリバンその他のテロ集団に対する個人的な復讐心もありません。わたしはあらゆる子供の教育を受ける権利を訴えているのです。タリバンやすべてのテロリスト、過激派の子ども達にも教育を受けて欲しいと思っています。

私を撃ったタリバン兵さえ憎んでいません。銃を持つ私の目前に彼が立っていたとしても、私は撃たないでしょう。それこそ私が慈悲深い預言者マホメット、イエスキリスト、そしてお釈迦様から学んだ思いやりの心です。それこそ私がマーティンルーサーキング、ネルソンマンデラムハンマドアリジンナーから受け継いだ革命の伝統です。それこそ私が、ガンジー、バシャカーン、マザーテレサから学んだ非暴力の哲学です。そしてそれこそ、私が父と母から学んだ寛容の心です。私の魂からも「平和を愛し、万人を愛しなさい」という声が聞こえてきます。

親愛なる兄弟姉妹の皆さん、光の大切さがわかるのは、暗闇に閉ざされた時です。声の大切さがわかるのは、沈黙を強いられた時です。わたしたちは同じように、パキスタン北部のスワートで銃を目にした時、ペンと本の大切さに気付いたのです。

「ペンは剣よりも強し」ということわざは本当でした。過激派が昔も今も恐れているのは、本とペンです。教育の力は彼らにとって脅威なのです。