どんな本
20円で世界をつなぐ仕事に関わる著者が「社会起業家」について解説・紹介。ビジネスとして社会貢献に取り組むプロフェッショナルを育成・輩出することを目的に書き綴られた一冊。
感想
著者の取り組むNPO事業の紹介が大部分を占めていたため少し期待外れだったが、随所にNPOや社会貢献における本質・核心を突く部分もあり、大変学ばせて頂いた。「世の中にポジティブな変化を起こす」という言葉は言い得て妙。自身のNPO団体を見つめ直しまた前向きに活動に取り組んでいきたい。
おすすめ度 ★★☆☆☆
要約・メモ
- 著者、NPOテーブルフォーツー代表。
- なぜそう言う若者が増えてきているのか。1995年阪神淡路大震災が1つの分岐点。
- 上の世代にロールモデルが見つからない。自分を満足させてくれる生き方を模索し続けている。
- この社会にある矛盾や歪みに向き合い、そこに潜む問題を解決すると言うのが社会貢献であり、それを生業とするのが社会的事業の定義。
- 社会的事業が民間企業より崇高だ、すべての人が社会課題に目を向けるべきだと言う気は無い。ただしソーシャルセクターは正しく理解されているとは言い難くここは問題。
- 社会貢献にはワクワク感が満ちている、誰かのためにやるのではなく、自分のためにやる、それでいいのだ。
- 言葉や理念より仕組みがものを言う:一時のインパクトよりもいかにアクションを継続するか。社会は一旦安定してしまうとそう簡単には変わらない。人の心は移ろいやすい。力強い言葉や崇高な理念で一時的にその気にさせることができても、時間が経てば薄れる。良いことをしていれば、正しい主張をしていれば、人がついてきてくれるわけではない。わかってくれる人だけが応援してくれればいいと言う姿勢では単なる自己満足に。
- NPOの存在意義を一言で言うと「世の中にポジティブな変化を起こす」こと。
- 政治や行政に成り代わってその役目を引き請け負うと言うのがソーシャルセクター。
- 人の意識を変えるのは難しくない:多くの人は他人事、実際の現場を知っている話を聞くと自らの現実と向き合わざるをえなくなる。問題解決に協力できる方法があると言うこともわかる。
- (ビルドレイトン氏)人々が今よりもっと暮らしやすくなるよ現行の法律や規則を変えることを目標にすべき。
- 一人一人が今まで気づかなかった社会の矛盾や不条理に目を向ける、なぜそれが存在するのか、どうすれば解決できるかを考える、社会を変える原動力とはそういう意識の変化。
- 目的が社会貢献の場合は、コスト費目の細かいレベルまで使い道が明らかになっていてそれが納得できるものでないと頑としてお金を出さない、日本人そういう傾向。
- ソーシャルセクターのNPOやNGOのことを、響からしてどこか信用のおけない団体だと思い込んでいるのでは。
- いくら目的が社会貢献であっても活動にはお金が入る。善意や志しだけでは組織の維持や運営はできない。そこを理解してもらえない限り社会事業やソーシャルセクターは日本に根付かない。
(社会人が社会貢献するときに押さえるべきポイント)
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