まちづくり・社会教育活動の実践あれこれ

日々への感謝とアウトプット

読了「脳にまかせる勉強法」池田義博

どんな本

記憶力は才能や年齢に関係なく「技術」で上がる、と著者は言う。世界記憶力グランドマスターが教える脳にまかせる勉強法とは。「3サイクル反復速習法」「1分間ライティング」など、脳の編集力を最大限に利用した最強の記憶術を余すところなく解説。

 

感想

自分が子供の頃にこの本に出会えていたら、どんなに効率よく勉強することができたことか!と後悔するくらい記憶力を劇的に高めるノウハウやアイデアが満載の一冊。早速自分でも実践し試してみたい。あとがきの著者の教育に関する考え(試験や詰め込み教育の重要性)には思いがけない発見も。受験勉強真っ最中の我が子と共に読みたい良著。

 

表紙

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目次

  • 序章 なぜ日本一になれたのか
  • 第一章 だまし絵のように覚える
  • 第二章 3サイクル反復速習法
  • 第三章 1分間ライティング
  • 第四章 長時間やる気が継続する方法
  • 第五章 結果を出すために
  • おわりに

 

要約・メモ

(序章)

  • 記憶は「脳の性能」ではなく「技術」。
  • 記憶力はメンタルの状態にかなり左右される。
  • テクニックとメンタルのトレーニングを。

(第一章)

  • 基礎3つ:①「意志」を示す、②「回数」をこなす、③「感情」を利用する
  • 勉強の内容をエピソードに変えて覚える。言葉はイメージに、ストーリーにして映像化する。
  • ゴロ合わせ2パターン:数字のゴロ合わせ、カナのゴロ合わせ
  • 「トアジョ/ニフォカレ/ブクブオト」戦後アメリカの大統領名
  • 自宅を記憶装置にする。(ベッドに聖徳太子が寝ている)
  • 3つの感覚を組み合わせて記憶を強化、聴覚(声に出す、耳栓)臭覚(ローズマリーの香りが良い)体感覚(動かす、空書)。
  • 脳が働く時間帯2つ、起きてから2時間、午後4時から夕飯まで。
  • 脳のリフレッシュには仮眠。「パワーナップ」15〜30分の仮眠で34%アップ。仮眠の前に30分後に効くカフェイン。

(第二章)

  • エビングハウス忘却曲線、74%を1日後には忘れている。
  • 4時間の勉強より、1時間を4日の方が記憶定着。ペンキ塗りのようなもの。
  • 3サイクル反復速習法」大事なポイントは脳にまかせる。そのために必須なのは覚えようとする意志のみ。
  • ①範囲をせばめて集中力をキープ、②「読み」に徹してハイスピード学習を続ける、③わかりづらい部分は後回し、④さらに加速で脳をレベルアップ

(第三章)

  • アウトプットの大切さ。言葉にする、書き出す、人に教える。イメージが定着。
  • 知識の深堀り「1分間ライティング
  • ①思い出せなくてもひたすら書き続ける ※雑にそのまま口語体でOK
  • ②1分間の時間制限でよけいな意識を排除する
  • ③ライティング終了後、分からないところが分かる
  • ④すぐにその範囲を読む(一度だけ復習)
  • 知識のネットワーク化「1分間マッピング
  • ①メインのキーワードを決める
  • ②1分間、連想する言葉を書く
  • ③言葉と言葉を線でつなぐ
  • ④知識の相関図の完成(関連性の書き込み、足りない部分を足す)

(第四章)

  • イメージの力を利用。人の行動はの9割は無意識からの影響によるもの。
  • 毎晩、自分の未来の映画(イメージ)を観て脳を喜ばせてから幸せな眠りに。
  • 上達曲線を知っておくこと。プラトー(学習高原)の存在。上がらない時期を乗り越える。

(第五章)

  • タイマーでスピード倍増、脳が集中力を高める。
  • 1単位15分で行い、5分の休憩。必ず休憩を取る。
  • 水分補給に最適なのは「」。糖分吸収は食事で。カフェインは適量があり、デメリットも大きい。血糖値が上がり(徐々に上がっていく)にくいナッツ類は良い。
  • 勉強時間中の水分補給は「水」、空腹時には「ナッツ」がおすすめ。
  • 脳の準備運動、「百マス計算」「英語でかけ算九九」が良い。×はタイムズ、=はイズ。
  • 本番で失敗しないために心拍数トレーニング。心拍数が高い状態で勉強をスタートし脳を慣れさせる。踏み台昇降運動を行う。あくまで通常の心拍数より少しだけ高い状態にすること。

(おわりに)

  • はたして「勉強=つらいものか」疑って、ポイントは効率、脳をうまく使える。
  • 教育の世界で「考える力」を重視する方向にシフト。しかし何もないところから「考える力」が養えるのか?脳は単なる記憶媒体ではなく、頭に入れた情報同士を有機的に結びつける能力がある。必要な知識が頭の中にあってこその、考える力では。
  • 詰め込み教育」ネガティブな言葉としてとらえられているが、簡単に記憶できる方法を身に付ければポジティブなニュアンスに変わる。
  • 学力、学歴、資格などで個人能力が判断されるのは、今後しばらく変わらない。なぜなら試験は得点だけを見るのではなく、合格までに費やした「時間」、勉強を継続してこられた「意志力」「集中力」など、その人が持つ総合的な人間力をも判断できる方法だから