まちづくり・社会教育活動の実践あれこれ

日々への感謝とアウトプット

読了「地方議員」佐々木信夫

どんな本

約38,000人にものぼる日本の議員。その実態はあまり知られていない。彼らのふだんの活動、首長の権限、議員の報酬、どのように議員になるのか等を解説。そのうえで、新しい時代の自治体のあり方、地方議員のあるべき姿を提案。都庁勤務経験を持つ、行政学の第一人者が易しく記す。

 

感想

大学の講義一年分に相当する濃密な政治学の内容となっている。正直、難解な部分も多いが、今の日本の政治のしくみ・全体像を理解するにはうってつけの一冊。とくに後半部の未来に向けた国づくり、地域づくりの指針は全議員、全行政職員必見。私たち市民一人ひとりの意識で未来は変わる。

 

表紙

地方議員 (PHP新書) | 佐々木 信夫 |本 | 通販 | Amazon

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目次

第一部 議会を変える 第二部 自治体を変える

  1. なぜ地方議会が必要か
  2. 住民の代表をどう選ぶ
  3. 議員は変われるか
  4. 議員の待遇をどうする
  5. 議会をどう変えるか
  6. 変わりゆく市民のくらし
  7. なぜ、地方分権
  8. 自治体をどう変えるか
  9. 政策を作れる自治体へ
  10. 豊かな自治つくる

 

要約・メモ

(第5章)

1.議会改革のポイント

  • 地方議会の主な役割:①政策や条例、予算の決定者 ②執行活動、首長への監視者 ③政策や条例の提案者 ④有権者へ争点の提起者
  • ⇒これら4つの役割を期待されながらも、自ら「チェック機関」と称し、監視・統制を行う監視者に専念してきた。内容や予算に関与できなかった時代はそれで済んだが、地方分権が進み、自己決定・自己責任するのは議会。
  • ⇒従来②の役割重点主義から①~④をバランスよく議会活小津に受け入れる役割総括主義へ変わらなければならない。自治体自身、従来の事業官庁から政策官庁へ脱皮してくこと。その牽引力を担うのが議会。「議会が変われば自治体が変わる」議会改革の意義はそこにある。
  • 首長が独任制で自らの政策に多元的な利益を反映しにくいのに対し、議会は合議制で多様な選出母体を持つから多元的な利益を反映しやすい。その長所を生かした議会活動を目指すなら議会の存在意義は高まる。議会は民意を鏡のように反映してこそ、議会の強みと特性が発揮される
  • 議会が、立法機関としての機能を身に付けていくためには、まちづくりの将来構想案や特定の問題を取り上げて議会主催により住民対話集会を開くといった試みが不可欠。

2.首長優位と与野党意識

  • 元代表制では、互いに住民を代表する政治機関として民意の反映を競い合う関係を求めているが、実際は首長優位。理由は、①議会への議案提出がほぼ首長の独占で議会の政策形成への影響力小さい②予算提案が首長の専権事項と規定され、議会の減額修正は事実上できず増額修正のみに限定されてきた③自治体事務の7割をしめる国の機関委任事務へは、質問権、調査権のみで、その内容の是非が問えない。
  • 2000年4月以降は機関委任事務制度は全廃され、③は現在ない。だが、議会が首長提案に受け身であることに変わりなし。アメリカと違い予算に対する発言権が著しく制約。
  • オール与党化、オール野党化した議会など存在は無価値に等しい与野党いずれの会派も所属議員を党議拘束し、議会活動は次第に柔軟性を失っていく。
  • 議会の強みは、「民意を鏡のように反映できる」点にある。多様な政策集団をつくり、現場から鋭く問題提起し、解決策をどんどん政策提案したら、地方議会の存在は大きく変わる。
  • 法案ごとに是々非々の態度で審議に臨むのが議会議員のあるべき態度。党議拘束など許されない。議会はつねに「住民のための議会」という視点を外してはならない。

3.議長の役割とは何か

  • これまで議長は単なる名誉職としての意味合いが強かった。現在は32府県で二年交代に変わった。役割は、首長と並び行事会合へ出席し挨拶(年間100回以上)。行政と議会の調整役、様々な会派、議員からなる議会を一つにまとめること。
  • 議長選挙の際、多数を占める第一会派から議長を出す慣例があることから、会派を大きくするために議員選挙後に陣取り。それを嫌い集団に属さず一人会派と称するものも多い。

4.地方議会をどう変える

  • 議会の強み。議会には首長と違う強味がある。①多くの議員による合議体であり、審議の場に住民の多様な意見が反映されやすく民意を顕在化させるというフォーラムとしての機能を担う。②議会審議にて合意形成を図り、地域社会にまとまりの方向性を与える、民意調整(コーディネーター)の機能を担う。③執行機関の活動を民主、公平、能率の確保という観点から、執行機関を監視、統制、牽制する機能を担う。
  • 「政治」があって「行政」がある。行政機関の意思を追認するのが政治の役割ではない。将来のビジョンを示し、既成秩序を変え、主要な公共的決定を行うのが政治の役割。地方分権化が進むと、地方政治は飛躍的に重要さを増す。
  • 議会制民主主義において、自治体における政治機関の中心は政治家集団からなる議会である。政策立案や政策審議に多くの時間を割くのがこれから期待される議員の役割ではないか。
  • これまでの議会改革、政治改革ではなく行政改革に止まっている。議員定数の削減など量的な面が中心だったが、それは議会改革の本丸ではない。政治の「質」を高める改革が最も大事。政治改革としての議会改革を。
  • 議会改革のポイント。①立法・政策能力の向上 ②議会の自立性の確立 ③議会スタッフの充実 ④監視・統制機能の強化 ⑤開かれた議会づくり

5.なぜ、議会基本条例か

  • 最近、議会の自立性を確立する視点から「議会基本条例」を定める動き。議会のルールを自ら定めること。その狙いは、議会のあり方、討論など議会運営の体系化、総合化を図ろうとする点。住民と歩む議会、議員同士が討議する議会、首長ら執行機関と切磋琢磨する議会への変貌をねらう。

6.議会改革の新たな動き

  • 地方議会は身近な議会でありながら、住民からは意外に遠い存在として見られがち。86%の議会は各議員の賛否を公開していない。アメリカの議会を参考に開かれた議会を。

(第6章)

  • ゆりかごから墓場まで:国・地方の少数の政治家たちが、公共分野で使われる約150兆円のカネのゆくえを決めている。
  • 予算ぶんどり:税は国3:地方2、サービスは国1:地方2。負担とサービスのズレを国が補助金交付金で調整。納税者には収めた税が多いのか少ないのか分からない、中央集権体制マジック。
  • 官僚制崩壊の危機:中央集権体制の行き詰まり。21世紀の国家ビジョンを持てず、目先の対応のみ。経済優先、景気対策ばかりの政治。
  • 人口絶対減に向かう:出生率1.35%。高齢化も急速進行。人口減現象を人口適正化へのゆり戻し現象とみてみては。120年前の日本は3500万人で、農業が盛んな新潟県が事項最大の県だった。やるべき少子化対策は、保育所子ども手当など目先のカネではなく若者が「夢を持てる国」をどのようにつくるかではないか。
  • 平成大合併は完了したとみなしていいのか?:政府は終息宣言をしたが西高東低を放置したまま。市町村経営はうまくいくのか懸念。自然環境豊かな「村」が希少性高めている。次の改革シナリオは都道府県廃止と10の道州制。国民全体が納得する、夢の持てる国家像が必要。
  • 景気回復の二重構造:大都市と勝ち組だけが恩恵、景気が明るく見えるのは湯水のように注ぎ込む借金財政による官需経済の下支えのおかげ。
  • 経済成長の呪縛:人口絶対減社会において、経済成長率のプラスにこだわる必要なし。見せかけだけのGDP増。真の豊かさを、緑化倍増を目指す政策が必要では。
  • 働く者の意識の変化:完全失業率5.7%、一人当たりの有効給仕倍率0.41倍と過去最低(2009年現在)。真の景気回復は企業利益の高さでなく、社会全体のシステムが正常に機能し始めたかどうかで測るべき。
  • 団塊世代の退場:2007年問題ともいわれる、インパクト大。65歳以上の高齢者比率は20%から25%へ。高度成長期の認識ではならない。
  • 地方から国を変える:経済大国は必ず軍事大国へ。いかに生活大国に導くか、日本政治の目標とすべき。身近な自治体の政治や行政から、私たちはすべての行政のしくみを総点検したい。多くのムダ、しがらみと既得権化した問題。

(第7章 なぜ、地方分権か)

  • 財政破綻の国:1秒に20万円、1日173億円ずつ借金増えている。国民一人約700万。サラリーマンの平均年収が700万(40歳)。保身しか考えない政治家、すべてを役所任せにしてしまった国民。
  • 地方分権を進めて大丈夫か:①都会と地方で不公平が出るのでは ②なぜ国では与党から首相選ばれるのに地方の首長はそうではないのか ③地方議員に期待される役割とふさわしい報酬は ④地方議員の役割、議会の役割はどう変わるべきか。
  • この国をどう変える:国から権限、財源を移す地方分権改革を進め、地域主権の国をつくることが、新しい国づくり。
  • なぜ地方分権なのか:国民一人ひとり、北海道から沖縄まですべて公平に統一的に扱い均一国家を作ろうというのが中央集権体制。統一性、公平性を担保。国全体が貧しい状況で、がむしゃらに働けば豊かになれる時代は機能した。民間同様、役所にも多様なサービス、スピード感、住民の声が届く手触り感のある行政が求められている。
  • 税のコントロール欧米で始まった議会制民主主義、日本はそれを取り入れた学習民主主義に過ぎないいまだに税は年貢を納めるような感覚、使い道決められずコントロールできないからなるべく税は取られたくないという気持ちに。本来は私たちの公共生活を営むための「割り勘」として納めるもの。使い道、使途をコントロールできるよう、国より地方の「身近な政府」に決定権、それが地方分権を進める根拠。
  • 究極の行政=分権改革:年間90兆円以上の税金を納め、さらに社会保険介護保険などを支払い。それでも足りず年間50兆円近い借金をし、累積額は1000兆円へ。借金は税金の前借り、いずれ返していかなければならない。増税が必要だが政治家は選挙が怖く将来に先送りできる借金に頼る。政権交代に国民が期待し民主党政権が実現。中央集権体制ではいくらカネをつぎ込んでもムダな政治が続くだけと国民気付き始めた。
  • 陳情政治、補助金のムダ:2億円の公民館、入り口と事務室二つの例。補助金行政によるムダな施設が積り850兆円を超える借金の山に。国の補助金がつくかどうかが最優先され、本当に必要かどうかは後回し。もらわなければ損意識。この制度がある限り、省益あって国益なし、のタテ割り行政が続く。
  • 地方分権か、大増税か:市長は本来、図書館を併設しても良いが追加分は市民の負担でお願いしますと言わなければならない。受益と負担を明確に、自分らの納めた税金の使い道について責任意識を持って判断するようになる。官の論理は害あって益なし。自らの意思で政策を決めカネの使い道を決めるなら誰かのカネという意識は消え、財政規律保たれる。他人の財布にフリーライド(ただ乗り)発送はなくなる。
  • 沖縄の小学校でも、南向きに造らなければならない:日本の小学校は南向きに校舎を建てなければならないことになっている。文科省指導のもと、沖縄では暑くてたまらないが、北向きにつくれば補助金は絶対に出ない。日本青年会議所がかつて「こんなもの(規制)いらない」運動をおこし、実例を集めた本を出した。目先の利害で変わる猫の目行政、迷惑するのは一般国民。
  • 遠い政治より身近な政治:遠い政治の限界。地域主権国家への転換が必要。高度に都市化された現在、地域は多様性に富む。多様性と問題処理のスピードが求められる。それに加え多くの分野での住民参画が必要不可欠。
  • 中央集権は企業もつぶす:ダイエー倒産のエピソード(安いコートの大量生産)、同じことが日本国家レベルで起きている。税金の使われ方のムダ、政策発想の貧困さに伴う行政の劣化、リーダー枯渇によりさまよう日本の針路。

(第8章 自治体をどう変えるか)

  • 自治体・2つの役割:①地域住民に対し、安定的な公共サービスを提供する役割、②地域を公共的な観点からマネージメントし、持続可能で魅力のある街づくりを行う役割。
  • 都市部、農村部の違い:大都市の自治体は過密問題、地方都市、農村の自治体は過疎問題の解決が課題。
  • 政策官庁への脱皮:腕力人数勝負ではなく知力、官民協働で勝負。公務員はサラリーマン根性を捨てること。高齢化問題はお年寄りだけでなく若者の問題でもある。まちづくりは高齢者重視へシフト、若者を踏み台にせずに。
  • 自治体を変えるポイント:①首長が変わるマニフェスト政治。任期長くて三期12年。②議会が変わる:チェック機関でなく立法機関を目指す。政策の総点検、自ら条例ていあ、予算修正。③職員が変わる能力主義の徹底。④住民が変わる:お任せ民主主義から参画民主主義へ。主権者としての役割を全う。
  • 終身雇用感覚:官から民の意識。雇い主は住民。
  • 年功序列は古い:横並び主義からの脱却東京都庁の管理職選抜のしくみ。
  • 自治体間競争:優れた自治体経営に人は流れる(足による投票)。チエをめぐる競争。優れた自治体経営へ。異文化体験者、公募、ヘッドハンティングを持ち込んで。
  • シティマネージャーとは何か:経営と執行の分離。市支配人制度、むしろ特別職の「最高執行役員」と表現しては。アメリカ5万人以下の市町村で導入。議会との契約、現場指揮のプロ野球の監督。
  • 日本版シティマネージャー:小中規模の市町村で導入検討しては。副市長、教育長、公営企業管理者はそこに置き換えられるのでは。先駆的な改革を期待。
  • 七つの標準装備:①情報公開、②行政手続、③政策評価、④電子政府化、⑤自治基本条例、⑥公会計の複式簿記化、⑦市場化テスト(指定管理者を含む)、加えて⑧議会基本条例。いずれか欠けていると遅れている自治体。
  • 自治基本条例:自治体の憲法に当たるものを基本条例で定めること。各自治体、各地域の運営ローカルルール。自己統制能力を高める。条例の条例。

(第9章 政策を作れる自治体へ)

  • もう一つの行政改革:行政のスタイルを創造する。公共サービスの質的、量的満足へ。キーポイントは政策づくり地方議会が政策を議論し、自治体の頭脳集団でなければならない。自治体自らが経営体に。自己決定、自己責任、自己負担の三大原則を。
  • 財政破綻を避ける:自治体も下手すると破綻する。執行と経営の分離も念頭に。
  • 政策自治体の創造:政策をつくる立法議会であるべき。地方公共団体から地方政府へ。これからは、政治機能(政治体)、執行機能(事業体)、政策機能(政策体)の三つ必要
  • 政策とは何か:政策とは問題を解決する方法。個人や企業では解決できない市場の失敗領域、公共問題について解決するのが政策
  • 分権一括法という転換点:自治体によって生じる差は「格差」ではなく「能力差」。自治体間競争の中、地域の課題解決に覚醒すること。
  • 政策過程とは何か:①課題設定、②政策立案、③政策決定、④政策実施、⑤政策評価の五つ地方分権が進むと、政策過程は基本的に各自治体で完結する。そこで政治と行政の関わり、役割分担を認識することが決定的に重要になる。①③⑤は政治、②④は行政。議会は①③⑤が基本、今後は②にも政治の力が期待。NPOや企業、市民らも①過程に止まらず、④実施過程さらに⑤評価過程での関与も期待。
  • 政策をつくる:①「目標の明確化」、どのレベルに目標を設定するか。②「現状の把握」、客観的に地域の姿や政策状態を明らかにする。他地域との比較、客観的分析。③「政策手段の構築」、目標と現状のギャップ、それをどう解決するかの設計。
  • 政策目標とは:目標の設定は一様ではない。これ以下の状態は避けるべきという①限界値基準、この水準まで達成できればよしという②充足地基準、理想的な水準をめざす③期待値基準。
  • 政策の手段:①権力的な手段、条例規制など、対象者に対し強制力が働く点で効果の確実性高い。②経済的誘因の提供、プラスとマイナスの利益、補助金や税の免除など、負担金や特別課税など。③情報の提供、人々は一定の情報に基づき行動選択決定。行政が一種の情報操作を通じて誘導。大衆を相手にした広報宣伝活動など。④物理的制御、進入禁止や中央分離帯設置のような環境操作。しかし機械的適用は機械的結果しか生まない。限定的。⑤サービスやモノの直接供給、直接事業主体となって行う活動。民間ではできない分野。これら五つの手段を駆使し政策をつくり実施するのが行政活動
  • 政策評価の大切さ:お任せ民主主義は終わり、これからは政策評価、会計検査、決算評価が大事。民間企業の場合、利潤というモノサシで測れるが、行政は公共福祉の最大化の実現度を評価する基準は確立しにくい。
  • 政策評価の基準:①合法性②経済性③効率性④有効性の4つの基準で。
  • アカウンタビリティ(説明責任)とは:行政責任の明確化、政治家や公務員にとっては当然の責務。公共政策は税金で賄われている。
  • 規制緩和の罠:経済的規制の領域には必要だが社会的規制にまで及ぶべきではない。無限大に行政責任を問う風潮がある。
  • 行政責任とは:責任関係は本人が代理人に対し、特定の仕事を頼むところから生ずる。住民と自治体でいえば、本人が住民、代理人が首長、議員ないし公務員。
  • 説明能力を磨け:単なる業務の説明ではなく、不満を解消する責任を指すもの、行政側に問われるのは答責能力、議員も同じ。
  • 議員も説明責任を:市民は行政監視能力をより高める必要がある。第一歩は選挙に必ず行くこと。行政不信を払しょくし透明な自治体活動をする大前提は情報公開。どうじにアカウンタビリティ。分権化の流れは、自治体や議員を鍛えると同時に、住民をも鍛える。民主主義が成熟していく良い機会と考えるべき。

(終章 豊かな自治を作る)

  • 地域主権型の国へ:21世紀の新たな国のかたち、列島各地の多様性に富んだまちをつくり、市民が参画できる政治の実現。世界の潮流は多様性。日本は画一的で、地方議会は執行権を持たない。そのため立案しっぱなしで執行責任を負わない。それが極端な首長優位につながっている
  • フランス:明治以降、日本が地方自治のモデルにしてきた。中央集権型。フランスでも地方分権進み、議員は住民から公選されるが首長はその中から互選で決まる。一元代表制。
  • スウェーデン:最も進んだ福祉国家。議会が行政を主導する一元代表制採用。地方分権の推進めざましい。規模に関わらず市町村はコミューン。
  • イギリス:議院内閣型、首長内閣型、首長マネージャー型の三つの方式から各自治体が選択する方式。地域の事は地域で決めるを実践。
  • ドイツ:市町村合併で小規模自治体は大幅減少、基礎自治体基本法により自治権保障。法律の範囲内ですべて自己責任で処理が原則。
  • 自治制度の選択:今後の日本の参考に。議会にも執行責任を負うしくみが必要では。政令市など人口規模の大きな市あるいは人口一万人未満の小規模町村での議会制度はどうあるべきか。これまでの一律制度ではうまくいかない。自治制度の選択制必要では。
  • 第三の改革へ:人口絶対減社会、右肩上がりの固定観念を捨て、豊かな社会へのステップへ
  • 地域主権道州制:これだけ広域化した時代に、明治23年以来不変となっている府県割はあまりに狭い。三大高速網が発達し、車社会になっている今、カルフォルニア一州分しかない日本を47分割し、広域自治体と称する都道府県を維持する理由はないのでは。むしり府県の壁が日本の底力からを殺いでいる。道州制を進め、外交に強い中央政府、内政に強い地方政府が実現。
  • 市町村の将来像:我が国の市町村、多様化。
  • 広域自立圏の発想、近隣自治体への委託と共同処理により、小規模の弱点を補完するしくみを構想しては。町村が守ってきた自然の大切さ。小さくてもきらりと光るまち。観光や手作りのまちを売りとする意欲的な町村を支援することこそ生活大国をめざす国の姿ではないか。
  • イギリスをはじめ、経済的にも文化的にも発展した先進国は農村が美しい。豊かな食糧生産基地でもある。輝いている農村こそが先進国のシンボルだ。
  • いま夢のない国、夢を持てない日本国民と言われるが、もう一度、二十一世紀という新たな国づくりへ向け国民全体で「夢」を育みたい。それが「豊かな自治」をめざす国の姿である。真実として、”夢の八割は実現するもの”といわれる。この言葉を信じたい。