まちづくり・社会教育活動の実践あれこれ

日々への感謝とアウトプット

読了「私だけ年を取っているみたいだ。」水谷緑

どんな本

幼少期よりヤングケアラーとなった主人公の少女・ゆいの半生を描いた物語。2年間に及ぶ取材の中、紆余曲折や挫折を経て制作された著者渾身の一冊。

 

感想

ほんの一例に過ぎないが、ヤングケアラーへの理解を深めるきっかけができた本書に感謝。また、人と人とが、いかに心を通わせ、絆を深められるのか、について多くの気づきを得ることができた。

 

表紙

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要約・メモ

  • 「お母さんはもう死んだ方が幸せかも知れない」
  • 「愛を返せない人に愛情を求め続けるのはもうやめて代わりにくれる人はいるから。その人がどうであるかに目を向けて。愛情を見過ごしてないか。」
  • 「お母さんじゃなくてお父さんを1番怒ってる」
  • 「お願いです。家から出る方法を教えてください。」
  • 「私だけ年を取っているみたいだ」
  • 「すべての人間には、回復力がある」
  • 「新しいものに出会うと、新しい自分が出てくる」
  • 「愛情は余裕から生まれる」

 

  • ヤングケアラーとは、介護や病気、障害や依存症など、ケアを要する家族がいる場合に大人が担うような責任を引き受け、家事や看病、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子供のこと。
  • 2021年の調査では、中学2年生の17人に1人、高校2年生の24人に1人がヤングケアラーに該当ケアの対象は、兄弟、親、祖父母の順に多く、親の場合は精神疾患や依存症の親を介護している子供が多い。
  • 精神疾患は、生涯を通じて5人に1人がかかるとされ、誰にでも可能性のある病気。
  • 背景には、大家族から核家族に家族構成が変化し、地域のつながりも薄れ、伝統的に家族が担ってきた扶養や介護の機能が低下している現状
  • ヤングケアラーの子供たちを、地域の支援やサービスつなげることが必要。子供たちが心を許せる大人に1人でも多く出会うこと。支援の必要なヤングケアラーが身近に入るかもしれないと言う意識で周囲を気にかけ、子供の話に耳を傾けて
  • 子供時代をなんとか生き抜いたヤングケアラーは、成人すると今度は生きづらさを抱えるようになる。自分を抑制して生きてきたことが、自分の感情に気づきにくくさせる。
  • ヤングケアラーは社会でしっかり生きている。しかし内面では自己否定と劣等感を塊で、自分の行動に自信が持てない。
  • 2018年に設立「こどもぴあ(精神疾患の親を持つ子供の会)」都市部を始め全国に広がっている。
  • 子供には、自助グループに相談したり、社会制度やサービスを利用すると言う認識は無い。奨学金制度や就職、キャリア支援など、自分の目標を持って人生を歩めるよう継続的な支援が必要。
  • 成人後のヤングケアラーにとって、恋愛や結婚は重要なテーマとなる。消極的になったり、相手をよく知らないまま結婚し、失敗する人も。
  • 自分が子育てしている時、幼少期の辛い体験が、突然に蘇り、フラッシュバックや悪夢を引き起こす。
  • 専門家による治療やカウンセリングがときに必要。時間をかけて回復していくこと。安心できる環境と信頼できる他者の存在が不可欠

 

 

 

読了「ウクライナ・ノート(対立の起源)」イゴルト

どんな本

イタリア人著者がウクライナの人々から聞き取った実体験をグラフィックノベルとして再現。ロシアによるウクライナ侵攻が開始して早10ヶ月、その対立の起源とは果たして何なのか。

 

感想

ウクライナで実際に生活し、実体験を元に描かれた独特な描写のノベル。社会の空気感や悲壮感が伝わってくる作品。この世から対立が消えることはないかも知れないが、それを対話によって、出来る限り暴力という手段以外で回避していくこと、未来へ少しでも良い関係を気づいていくことの大切さを改めて感じた。

 

表紙

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要約・メモ

  • ソ連崩壊後、21世紀に入ってからウクライナとロシアは徐々に対立を深めていった。
  • ウクライナが進めるNATO加盟路線、2008年のジョージア戦争、天然ガス需給の軋轢、などの問題。
  • とくに繊細な問題が歴史認識。1932〜1933年に起きた大飢饉、ウクライナではホロドモール(飢餓による殺人)と呼ばれる。スターリン中央政府によって引き起こされた「人為的な」食糧不足であった。少なくとも200万人、多ければ800万人の死者。ウクライナ国会では「ウクライナ人を標的にした虐殺(ジェノサイド)」と認定。ロシア側は飢餓の事実は認めるが人為的であったことを否定。

 

 

 

読了「市民は行政と協働を創れるか」河井孝仁

どんな本

市民と行政がタッグを組んでまちをより良いものにするためにはどうすればいいのか?本音をぶつけあって目的を達成した具体的なケース紹介からそのロジックを考える。

 

感想

現在進行形で行政と協働を試みている自分にとってど真ん中のテーマであり即座に手に取り拝読。一つ一つを自分のまち・人に重ね合わせながら楽しく学ぶことができた。素晴らしい書物を作成いただき感謝。

 

表紙

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要約・メモ

  • この本は、3つの地域、6つの物語。ノウハウ集でもマニュアルハンドブックでもない。あくまで他人事である。これらの物語を自分事にして。

(第1章)

  • (白澤氏・コードフォー流山代表)
  • 千葉県流山市、人口約20万、東京のBEDTOWN。キャッチフレーズ.「母になるなら流山市」。
  • 興味本位で市民活動に参加。シビックテックとは市民自身がテクノロジーを活用して、地域課題解決に取り組む。
  • 「1つのものに光を当てるとその後にくっきりと影ができる。輝いて注目を浴びれば浴びるほど影である反対意見も強くなる。自分たちはその影も一緒に受け止めなくてはいけない。
  • 地域の課題を解決するのはしんどい。理由①市民活動と行政との連携。②活動を続けていく間に課題が自分事と乖離してしまう。あるべき論に陥る。
  • 市民活動はボランティア活動であり、奉仕だと説明される時がある。しかし、社会教育的には、成長欲求を満たし、学びの循環によって行われる活動である。成長欲求を満たすには自ら考え行動すると言う手順が必要。良いリーダーではなく影からサポートするすみっこプレイヤーが必要。
  • (河尻氏・市行政課長)
  • 人は、自分が面白いまたはどうにかしたいと感じるテーマならば、自ら動くことがわかっている。自分事となったテーマで、自分が動くことで、街が少しでも良くなった実感があれば、それが初期段階では報酬となる。行政はその気持ちを丁寧に理解することが必要。
  • ボランティア要員として、安易に行政がやりたいことの枠に街の人々をはめ込むのではなく、市民と行政はお互いのメリットとなる所見出して、役割分担をはっきりさせておくことがうまくやれる第一歩。市民と行政のどちらか一方的なお膳立てをしたり、シナリオを作ってしまうのでは、お互いの満足度が上がらず、もう二度と一緒にやりたくないとなりかねない。
  • (河井氏)
  • 花びらモデルとは、自分を複数のいくつかの文脈(=花びら)に位置づけつつ、その複数の文脈を重ねる存在として、自己を認識するモデル。あるいは、様々な花びらをまとうと努め、まとった花びらを別々のものとするのではなく、自己と言う1つの存在として重ねて把握しようとする努力を期待するモデルである。これによって、今私は花びらのどの部分で共同しようとしているのかを冷静に認識し、その上で他のはなびら(=文脈)からの資源を利用できないかを冷静に検討することが可能になる。

(第2章)

  • (中垣氏・グラフィックデザイナー)
  • 自治会やPTA活動は長年、様々な人が関わり作り上げてきたもの、変えるには時間と精神力。昨年と同じことをするのではなく、みんなで作り上げていけば、仲間も増える。
  • 若い世代が地域活動に関わるきっかけの一つ、自分の好きなこと。地域とデザインを掛け合わせて、好きな空間を創れるのではないか。
  • 活動の原動力は自分が楽しめること。結果として誰かのためになっている、くらいがちょうどいい。
  • (大垣氏・生駒市広報課長)
  • 行政の画一的なサービスよりも、一人ひとりの想いがまちの温度を上げまちの未来を作る
  • 何が起こるか、予測できないこと、にこそ価値がある。市民活動は、課題解決型に比べ魅力創造型は軽視されがち、数値で表せないが継続していく必要性ある
  • 地方創生というが、個が動き、個がつながることでしか、社会は変わらない。つながり巻き込み社会にインパクトを。フォロワーを増やしコミュニティを作りムーブメントに。これからは個人創生
  • 魅力的な出会いが増えていけばまちに大きなインパクト。まちへのコミットが増えていけば地域は自走できる。「自分の手で暮らしをデザインできる」という実感を持つ人と手を取り合って、生駒で暮らす喜びを共有できる人を増やしていきたい。

(第3章)割愛

(第4章)市民側対談

  • 行政とは向き合うより横に並んだ方が良い。
  • 行政も市民。市民としてよくしたいと思っているか。
  • 行政は市民を応援してくれる機関。

(第5章)行政側対談

  • 共感するポイントはどこにあるか。
  • 街のため?自分のため?「私こういうことやりたいんです」と最初から言われる人の方が信頼できる。
  • 行政が入らなくても人をつなげて共助できることもある。

 

 

サッカー協会打合せ

マイナビ仙台レディースの延岡キャンプについて事前打合せを行いました。良いおもてなしができるよう取り組んでまいります。

 

PIVOT「日本再興ラストチャンス」

パート①

https://youtu.be/8VPzLfG1hVM

パート②

https://youtu.be/bIbTGyZyWq4

 

1920年代から

アメリカが

終身雇用と年功序列を創った

製造業のための働き方

寿命短く情報のスピード短く

圧倒的に一つの会社で働くのが一つのキャリアとして十分成立していた時代

1980年代〜

製造業がうまくいかなくなり

グローバルな物流や情報革命が起こり

株式市場では機関投資家からの圧力増し

二次産業から三次産業へ基幹産業がシフト

二次産業時代の働き方を捨てた

この30年間かけて今の働き方に、世代を超えて変化

 

GoogleFacebookの平均就業年数は3年未満